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9月10日に放送された『クローズアップ現代+』(NHK)では、新型コロナウィルスの影響により大打撃を受けた飲食店にスポットライトを当て、未曾有の事態を打開するために奮闘する飲食業界を特集した。この番組内での、白ハト食品工業株式会社の永尾俊一代表取締役社長の発言が視聴者の間で「パワハラではないか」と物議を醸している。
コロナ禍という逆境にある飲食業界だが、永尾社長は「どんなピンチが来ても『しっかりとこの街と共に生き残っていく』っていう心のタフさを会社の従業員に(つけたい)」という狙いから、同社が運営するたこ焼き屋「道頓堀くくる」の従業員に、試練を与えた。
新商品の開発を任された入社5年目の若手社員は、ある不手際をしてしまう。すると永尾社長は「お料理学校ごっこをやってるんじゃない」と切り捨て、テレビカメラに向かって「カメラ止めてもらっていいですか?」と断りを入れた直後、「ド素人か?」「何年やっとん!?」と社員を𠮟責。後ろ姿ではあるが若手社員は涙を拭う仕草を見せていた。
その後、一カ月間の試行錯誤を経て新商品を完成させ、永尾社長に合格をもらい安堵の表情を浮かべる若手社員。永尾社長は「泣いてないじゃん。ここで泣いたら『前の涙が嬉し涙になってんな』ってなるのに」と冗談めかして社員を労い、若手社員は「新たなことにチャレンジしたいし、何か壁があったら『乗り越えたい』という気持ちはあります」と感想を語った。
最後に永尾社長は「やっぱり人作りです。強く生き抜く人作りです。前から『やらなあかん』と思ったことを、コロナがあるから、やらざるを得ない。『コロナもちょっとはええな』みたいな」と語った。新型コロナウィルスの感染拡大は若手社員の成長を促すことにつながった、ということのようだ。
若手社員の成長が伺える終わり方だったが、SNS上では「クロ現のたこ焼き屋ただのブラックじゃん」「クローズアップ現代+でやってるたこ焼き屋の社長パワハラだよ」と批判が相次ぎ、中には「扱き下ろしといてから持ち上げるって洗脳の手段じゃ?」「カメラ止めて暴言吐いて、しばらくして合格? ただの洗脳では???」と、飴と鞭を使い分けたように見える永尾社長の振る舞いを洗脳まがいだと非難する声まで。
また、『クローズアップ現代+』の公式Twitterアカウントにも「完全にパワハラだ」というリプライが複数つき、カメラを止めるよう要求している社長にパワハラの自覚があったのではないかと指摘されてもいる。
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