宝塚音楽学校の伝統作法はハラスメントだったのか。廃止発表にOGから賛否両論

文=雪代すみれ
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「Getty Images」より

 規則が厳しいことで有名な宝塚音楽学校。その伝統的な指導法や作法が廃止になり、話題になっている。

 9月11日付の朝日新聞デジタルによると、阪急電車への一礼や先輩の前での決まった表情など<生徒間に受け継がれてきた不文律をなくした>とのこと。なくした背景には下記のような事情があった。

<数年前に体を壊した予科生がおり、学校側が調べたところ、予科生の一部に、過度な提出物が課せられていた>
<5年ほど前から、予科生が掃除方法や学校生活に関する質問などをノートに記して本科生に提出する慣習ができていた>

※宝塚音楽学校は2年制で上級生を本科生、下級生を予科生という

 また、複数メディアの報道によると、廃止された伝統的作法は以下のとおり。

①先輩が普段利用する阪急電車に礼をする
②遠くの先輩に大声であいさつ
③先輩への返事は「はい」か「いいえ」に限定
④先輩の前では眉間にしわをよせて口角を下げる

 9月14日の『とくダネ!』(フジテレビ系)では、「雨の時、一人が傘を忘れたら他の人は傘を持っていても傘をさしてはいけない」「風呂(大浴場)掃除では水滴一つ、髪の毛一本、残してはいけない」「橋は川上を本科生、川下を予科生が歩くルール」といった細かいルールもあったと紹介していた。

 このニュースに対しネット上では、「こんなことやってたんだ……」「社会で理不尽なことを経験する準備のために、学生から必要以上に厳しくする考えはもう古い」と伝統的作法の廃止に肯定的な意見が多く見られた。

 宝塚ファンからも「パフォーマンスのために必要な厳しさもあるのでは」「お掃除分担エピソードが聞けなくなるのは残念」と惜しむ声はあるものの、「時代に合わせて変化することは、今後宝塚が長く愛されるためにも必要かもしれない」といった意見もあがっている。

宝塚OGの反応は賛否両論

 宝塚OGからも伝統作法廃止に対してさまざまな意見が見られる。前出『とくダネ!』では、2005年に入団、翌年退団し、現在はLGBTアクティビストとして活動する東小雪氏のコメントを紹介。

<伝統という名の下でハラスメントが肯定的に繰り返されていた
今回の見直しが変わる大きな一歩になるといいなと思う>

 一方で花組男役として活躍し、2016年に退団した鳳真由氏は13日、ツイッターに規則があったことへの感謝を綴る。

<規則 
あれがあったからこそ絆が出来たのは間違い無い!合わない人もいるけど何事もそうだよねー。自分はたまたま我慢出来てあの時期みんなで乗り越えられたからその後の人生も明るく元気に仲間を大切に思える。規則を経験できてありがたかった。>

 元宙組男役で現在アイドルとして活動する彩羽真矢氏も12日、規則廃止に関するYouTube動画をアップ。理不尽だと思ったことや辛かったこと、なぜあるのかわからない規則もあったというが、歌劇団に入ってからは「必要なことだった」と感じたそうだ。

<厳しかったです。ただ私としては嫌な思い出とかでは全然ないし、厳しかった生活があったからこそ、宝塚であんなに素敵な舞台が作れたんだなっていうことは変わらず思っていること>

<もしかしたら宝塚って厳しいところって知らずに入る人も、ごくわずかいるのかもしれないですけれど、私としては夢を叶えるため(音楽学校から)宝塚歌劇団に上がるためには、この厳しさを乗り越えなきゃいけないってことを十分理解して入ったので>

 また、宝塚の舞台では、一糸乱れぬ群舞を始め、確実に全員が一致団結しなければできないパフォーマンスを披露するため、<(上級生が)指導をしてくださるから下級生たちは従うだけで一つの素晴らしいものを創り出すことができるんじゃないかなと私は思うんですよ>といい、厳しい規則によって宝塚歌劇が作られてきた側面もあるため<結構思い切ったことに踏み切れた上層部の方々はすごい決断だったんだろうなっていうふうに思います>とも語った。

 一方で<時代もあるのかなと思います。伝統を守ることだけが大切なのではなく><宝塚106年歴史がありますけど、106年間ずっと厳しかったかというとそうじゃないみたいで、結構昔の話を聞くとまったく規則なんかなくて、みんな和気あいあいとやっていた時代もあったみたいですし>と話した。彩羽氏が入団した90周年のときにもルールの見直しがあり、年々少しずつ見直されていたようだ。

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