全国2000カ所に存在する「危険なバス停」を、それでも移設できない理由とは

文=柴田さとみ
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GettyImagesより

 突然、自分や大切な人の命を奪ってしまうかもしれない交通事故。運よく事故にはならなくても、ひやっとした経験のある人は多いのではないだろうか。9月16日の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)では、交通事故の一因になるとして、全国に2000カ所も放置されているという「危険なバス停」の問題を取り上げた。

 番組によると、もともとバス停があった場所に、後から横断歩道や家が作られたために、バス停と横断歩道が重なるといった「危険なバス停」が生まれてしまうという。

 「バス停を移動させればいい」と思うかもしれないが、バス停を移設するには、バス会社から警察、道路管理者、近隣住民へ移設の提案をした上で、すべての了承を取り付ける必要があり、とてもハードルが高いそうだ。特に、近隣住民への説明は、ゴミのポイ捨てや騒音の問題といったことから、なかなか進まないのが現状だという。

 例外的に、おととし8月にバス停の位置がひとつの要因となり小学生の死亡事故が起きてしまった神奈川県では、事故後に県警が主導して対策が進めた結果、バス停84カ所中67カ所の移設や廃止が完了した(9月15日時点)。

 番組では、スムーズな合意形成のためには、具体的な移設基準を設定するなど、国が主導して全国共通の基準を作ることが必要だという方向性で議論が進められた。

 コメンテーターの浜田敬子氏は<困難な状況でも、できないと言ったらできない。なんとか改善するためにどうしたらいいか知恵を出し、基準を作ればできるんだと(分かる)いい事例だと思います>とコメント。

 同じくコメンテーターの玉川徹氏も<警察と道路管理者はクリアできる。やっぱり近隣住民が家の前にこられると嫌だっていう話><犠牲が出てからやりましょうっていうのでは、よくないですよ。(中略)どうしてもだめな場合は、強制力っていうのもあるのかな>と、バス停移設の基準化に肯定的な意見を述べた。

 2019年11月時点で、33都府県では、バス停を移設する基準が定められていないのが現状だという(読売新聞調べ)。個人レベルではできないことだからこそ、行政にはしっかりと対応してもらい、少しでも痛ましい事故を減らす努力を続けてもらいたい。

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