8月28日、今度は女性5名が名古屋入管に移送された。
現在、全国にある大きな収容施設で女性ブロックがあるのは東京、名古屋、大阪だが、わざわざ東京から名古屋に移送するケースは滅多にない。地方に移動させられれば弁護士や家族、友人の面会は困難になるし、仮放免をされた場合、戻ってくるのが大変になってしまう。
そもそもなぜ、わざわざこのコロナ禍の時に移動させるのだろうか。名古屋入管には女性被収容者は2人しかいないため、5人を移送させることで東京の3密を防いだとでも言いたいのだろうか。
5人のうち2人は帰国を決めていて飛行機が飛ぶのを待っている状態だった。残りの3人は難民であり帰国が不可能。そういった事情にも関わらず、いきなり遠い地に連れてこられて途方に暮れてしまっている。
彼女たちの証言によれば、移送される前日に呼び出され、「あなたは明日から名古屋入管へ行く」と告げられたという。5人は手錠で一つにつながれ、そのままバスに乗せられた。4~5時間の距離ではあるが、女性たちは手錠を見られる恥ずかしさから、到着するまでトイレには行かなかったという。
ただ、皮肉なことに名古屋入管では、東京入管での時のように意地悪ばかりして毎日、口論になるような職員はいないそうだ。食事も、お腹を壊すようなまずいごはんではなく、東京入管よりも美味しいと彼女たちは語る。
東京入管では下着姿や裸の女性を集団で連行したり、その姿を見て笑ったり、トイレを覗くといった被害が被収容者から寄せられている。そういう場所から離れることができたのはせめてもの救いなのかもしれない。
しかし現在、収容されている人たちを、簡単には解放をしてくれそうもない。なぜそうまでして頑なに仮放免を出そうとしないのだろうか。
(織田朝日)
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