竹内結子さんの死の背景をこれ以上探ってはいけない理由

文=ヒポポ照子
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GettyImagesより

 9月27日に亡くなった俳優の竹内結子さん。「自殺と見られる」という速報を皮切りに、ネットニュースもテレビ報道もこれを大きく伝えている。

 竹内結子さんは盤石の地位と人気を誇るトップ俳優で、好感度も高く演技の評判も良かった。私生活では中学生の息子と、再婚し今年1月に出産した次男の母。夫である俳優・中林大樹との夫婦仲も悪くなかったと言われ、突然の訃報に「なぜ突然、死んでしまったのか」と驚く感情は自然なことだろう。

 しかし「育児も仕事も完璧だった」「人に悩みを見せない人だった」といったコメントほど空虚なものもない。ワイドショーでは芸能リポーターやスポーツ紙デスクが「悩んでいるようには見えなかった」等とコメントを並べているが、インタビューや会見などの仕事現場で悩みや弱みを見せる芸能人などほとんどいないだろう。少しでも不安定な様子を見せれば「奇行」などと扱われるのだ。たとえ悩んでいることがあっても、フワちゃんではないが「お前らに言うわけないじゃん」という話である。

 遺書もなく、何もわからない状態であるにもかかわらず、適当な憶測が並べ立てられている。「複雑な家庭環境だった」と生い立ちに触れたり、「コロナうつ」「産後うつ」などの可能性に触れるメディアもある。新型コロナウイルス蔓延の影響で将来に不安を抱く人が多いことはわかるが、竹内さんの死を安易に何かにこじつけるべきではないだろう。

 そもそも厚生労働省がメディア向けに提示しているWHOの自殺報道ガイドラインを守っているワイドショーはひとつもない。守る気など一切ないようだ。

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