
NiziU公式Twitterより
NiziUを生んだ『Nizi Project』(Hulu)ブームにより、ここ最近の日本では、オーディション番組への印象が良くなっているようだ。
たとえば、NiziUのファンであることを公言しているマツコ・デラックスは、J.Y. Parkをゲストに呼んだ『マツコ会議』(日本テレビ系/2020年9月12日放送回)で、『Nizi Project』について<オーディションってやっぱり面白いなって、オーディションってすごいなって。人間ドラマの縮図を見せてもらえる><オーディション番組って、テレビで見せるエンターテインメントとしては常にあってもいいもんだよなっていうのは、改めてテレビに携わっている人間として思い知らされましたよ>と発言していた。
すでに韓国では、ここ数年ずっとオーディション番組が人気だ。こうした番組を通じてデビューメンバーを決めることが主流となっており、TWICE(2015年放送『SIXTEEN』出身)、IZ*ONE(2018年放送『PRODUCE 48』出身)といった日本でもおなじみのグループのいくつかはオーディション番組出身である。
歴史を振り返れば日本にもオーディション番組はなかったわけではない。モーニング娘。やCHEMISTRYを生んだ『ASAYAN』(テレビ東京系/1995年〜2002年)が社会現象となった時代もある。EXILEのヴォーカリストオーディションも、ファンを熱くさせた。
しかし、この数年はそうした番組も下火となっていた。『Nizi Project』で改めてオーディション番組の面白さに気がついた人は、マツコならずとも多いだろう。
J.Y. Parkが語るオーディション番組の魅力
オーディション番組の醍醐味は、なんといってもオーディション参加者たちの努力を見られることだ。練習生が挫折を経験しながらもデビューのために努力する場面は、視聴者に大きな感動や元気を与える。実際に、番組が放送される数カ月間で劇的に成長する人も少なくない。
また、合格に向けて努力を重ねた結果、オーディション参加者同士に友情が芽生えることも多い。ライバルでありながら固い絆で結ばれ、共に助け合いながら課題をクリアしていく姿は視聴者の涙を誘う。
こうした物語は、番組制作側が作為的につくれるものではない。オーディション参加者が本気でぶつかり合うからこそ生まれる“生”の物語である。前出『マツコ会議』でJ.Y. Parkは『Nizi Project』が多くの人を虜にした理由はそうした“ライブ感”にあると分析していた。
<マツコさんも僕も、この分野に長くいるので、台本があることへの退屈感があるのかもしれません。全ての番組には台本があります。オーディションには台本がありません。台本がないから、だからこそ、本当にときめくんです。
僕も悲しいときには涙を堪えて表情を隠しますが、台本がないのでコントロールは難しいです。おそらく、このライブ感があるからこそ、僕も含め、マツコさんも多くの皆さんも共感されたのではないかと思います>
このように番組を通じて参加者の魅力やキャラクターが伝わることから、デビューメンバーにはなれずとも、別の機会でデビューを射止めたメンバーは過去に何人もいる。
オーディション番組は、アイドルを輩出するために最適なコンテンツであるとも言える。韓国でオーディション番組が多くつくられる背景にはそうした理由もある。
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