菅政権が迫られる厳しい舵取り 複雑な要素が絡み合う米中対立、日本はどう動くか

文=斎藤満
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 トランプ大統領が中国をどう改革したいのか、それを考える際に理解しておくべき点が少なくとも3つあります。まず、歴史的に米国が中国に施してきた支援策が逆効果だったとの認識です。現在トランプ大統領を支えているキッシンジャー元国務長官は、かつてニクソン大統領とともに、中国と国交を結び、中国を経済支援することで中国の民主化が進むと考えました。しかし、それが間違いだったことに気づき、中国経済が豊かになっても共産党政権が続く中では自ら民主化に舵を切ることはないとの認識に至りました。

 第2に、米国共和党は歴史的に中国の正当な主権はもともと蒋介石総統の台湾にあり、彼らを追い出して勝手に作った北京の共産党政権は正当な政権ではないとの認識が広く長く続いています。それが昨今の米国高官の相次ぐ台湾訪問につながっています。

 そして3つ目は、中国の国有企業が江沢民派、つまりトランプ大統領が敵視する国際金融資本(ディープ・ステート)と手を組んで、国の補助金を利用し、不当な競争力を得て米国企業や米国経済を脅かすようになっている、との認識です。それが生産雇用の略奪にとどまらず、米国の先端技術を盗み、国家安全保障を脅かすに至ったとの認識です。

 従って、現在の中国に対する強硬姿勢は、単なる大統領選挙前のポーズ、キャンペーンにとどまらないということです。大統領選が終わっても、トランプ氏が再選されれば、米国政府は中国の国有企業を特別優遇する現体制を変えるべく、「第二の合意」を目指す可能性があります。そこでは政府による国有企業への補助金禁止、国有企業の解体、ないしは米国資本の参入を認めさせ、事実上の解体を図ると見られます。

 そして国際金融資本が中国の甘い汁を吸う体制を壊し、軍事力(特に宇宙軍創設)の抑止を図り、トランプ政権の影響力を強める。場合によってはかつてのソ連崩壊ルートと同様に経済を疲弊させて共産党一党体制を壊すこともいとわない、と見られます。

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