女性議員入閣の少なさを「女性の実力不足」「特に何とも思わない」と言い放つ理解不足

文=宮西瀬名
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GettyImagesより

 9月16日に発足した菅義偉内閣の閣僚21人のうち、女性は橋本聖子五輪相と上川陽子法相のわずか2人に留まった。日本の女性閣僚の割合は10%にも満たず、G7各国(カナダ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、米国、日本)の中で最下位だ。

 異常ともいえる状態なのだが、意外なことにこの比率を肯定的に捉えるコメントがワイドショーでは少なくなかった。

 9月21日の『グッとラック!』(TBS系)で、女性閣僚の少なさについて落語家の立川志らくは、「もちろん女性の数が増える方がいいと思います」と前置きしながら、「1番大事なのは能力のある人が閣僚、大臣になるべき。能力のある人を外してまで、女性を入れなくちゃいけないからってなると本末転倒ですよね」と述べた。

 フリーアナウンサーの田中みな実は、9月20日の『サンデージャポン』(TBS系)にて、「毎回、女性が少ないだの多いだのと取り沙汰されるんですが、それ自体に違和感がある」「同じ女性としてどう思う? って意見を求められるけど、同じ女性としては別に特に何とも思わない、女性が多かろうが少なかろうが」 と、やはり“男女の別は関係ない”というスタンスを取った。

 また、9月16日の『スッキリ』(日本テレビ系)では、フリーアナウンサーの近藤サトは「誰でもいいから女性を登用すれば良いという問題ではなくて、やっぱり今の自民党の中に菅新総理のお眼鏡にかなう女性議員が育っていなかったということ」と一蹴している。

 彼らは、女性議員の入閣が少ないのは能力のある女性議員がいないからだ、と口を揃える。しかし、そうであるならば、入閣している男性議員たちは「能力がある」から登用されているのだろうか。その検証はなされない。

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