男性の育休義務化に賛否、「戻る場所ない」「中小企業はどうする」『グッとラック!』

文=柴田さとみ
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『グッとラック!』公式サイトより

 タレントのつるの剛士や、環境相の小泉進次郎氏が取得したことで、注目度が高まっている男性の育児休業。政府内でも男性の育休義務化が検討されるなか、中小企業の約7割が義務化に反対しているという調査結果を日本商工会議所が公表した。

 それを受けて、10月7日放送の『グッとラック!』(TBSテレビ系)では男性の育休取得義務化について議論した。

 番組MCの立川志らく、そして9月末からメインコメンテーターとしてレギュラー入りした田村淳は、ともに子育て中の父親だ。冒頭で志らくは<まず男性が育児に参加するという言い方はおかしい。育児は夫婦でやるものだと思っているので>と言い、自身は当然のように家事育児をしているが、「義務化」には疑問があり、取ればいいという問題ではないと語った。

<義務化は反対。それより男性の意識を変えないと。家事も何もできない男性が育休取ったら自己満足。かえって邪魔になる。子どもが生まれる前から、炊事・洗濯、何にしたって、普通にできるようにしていてってこと。それを義務化して誰も彼もってやられたら、産後うつとかになった時は分かるけど、かえって足でまといになるばっかりっていうのはある>

 とはいえ、「家事も何もできない男性」が育休も取らずそのままずっと「家事も何もできない男性」のままでは、仮に妻が病気などになった場合でも困ってしまうのではないか。また、多くの男性が外で働いているが、雇用側、つまり社会の意識がなかなか変わらないからこそ、変えるためにまずは義務化する必要があるという話だろう。

 この志らくの主張に対し、コメンテーターで2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)創設者の西村博之氏は、社員が休みを取得することが“普通”になるためにも義務化が必要だと意見する。

<育児休暇以前の問題。有給休暇が取れない、サービス残業があるっていう違法行為が普通にある。そういう状態では、育休が権利であっても取れるわけがない。有給も上司の許可は本当はいらないはずなのに、なぜかもらわないといけないという会社のルールがあったりするので、法律通りにするっていうのをまずやったほうがいい>

 スタジオ内ではアナウンサーの国山ハセンや俳優・星野真里も義務化に賛成で、<私も賛成。最初は義務化はいらないんじゃないかと思ったけど、考えれば考えるほど、変えるのは相当大変なので思い切ったことをやらないととてもじゃないと変わらない>と述べた。

 一方の志らくは義務化に反対の立場を譲らない。国山アナに<だから義務化したら、男は休まないといけないってことでしょ。ハセンさん、結婚して赤ちゃんが生まれた。『グッとラック!』休めますか?>と食って掛かる。

ハセン<ですから義務化してほしいんですよ>
志らく<もうハセンいらねえや(中略)ああ、アイツ戻ってきちゃったって雰囲気だったらどうするの?>
ハセン<だから義務化してほしいんですよ!>
志らく<私は休みたくない。休まなくてもできたもん自分で>

 育休明けの社員を「戻ってきちゃった」と迷惑がることはマタハラ・パタハラであり、休業後に戻る場所を確保しておくことも含め雇用側の義務だろう。だが志らくはそもそも会社員ではなくフレキシブルな働き方をしていること、芸能界は雇用云々ではない弱肉強食の世界であることから、上記のような考えになっているのかもしれない。自分はうまくやっているが、誰かにポジションを保障してもらっているわけではない、と。

 だが国山アナの言うように、義務化して皆が当たり前に育休を取得するようになれば、育児中の社員を迷惑がるような雰囲気も緩和されるかもしれない。

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