
BLACKPINK公式Twitterより
BLACKPINKがグループにとって初のフルアルバム『THE ALBUM』をリリースした。BLACKPINKは、クール&キュートな魅力で、世界中で高い人気を誇るガールズグループだ。“ガールクラッシュ”の代表と言われ、同性ファンが多くいるグループでもある。
同アルバムから先行公開されていた楽曲「How You Like That」は、重低音と中毒性のあるメロディーがBLACKPINK色全開であり、独特の貫禄を生んでいた。一方で、同アルバムのタイトル曲である「Lovesick Girls」は、開放的な一曲となっている。若者らしいスピード感のある曲調とコーラスが多用されているアレンジからは、まるで多数の女の子たちの叫びが共鳴しているかのような印象を受けた。
最近は、立て続けに米国の大物アーティストとのコラボでも話題を集めている。アルバムでも、セレーナ・ゴメスやカーディ・Bとのコラボ曲が収録されている。海外をターゲットとした楽曲では、アメリカのティーンアイドルを彷彿とさせる可愛気がアピールされており、クールな印象の楽曲が多かったBLACKPINKのディスコグラフィーからすると意外性を感じるかもしれない。
『THE ALBUM』における“クール”と“可愛い”のバランスは、まさにBLACKPINKの魅力そのものだ。
同性がBLACKPINKに共感する理由
BLACKPINKの魅力は“カリスマ”や“セクシー”といった言葉で表現されることが多い。しかし、これまで発表してきた楽曲には一貫して“等身大の女の子”としてのメッセージ性が込められており、BLACKPINKのメンバーの大人びた素振りや雰囲気というのは、本質的には背伸びしていることによるものであると感じる。
事実、ステージでは圧倒的な貫禄を誇るが、オフショットやドキュメンタリーで見せる素顔はまさに“普通の女の子”だ。YouTubeなどで公開されている番組『24/365 with BLACKPINK』では、合宿所にゴキブリが出てきて大騒ぎになった時、リサがA4用紙に包んで窓の外に放り投げたといった庶民的なエピソードも明かしている。
こういったBLACKPINKのカリスマと共感性の絶妙なバランスが、彼女たちを同性にとって憧れの存在にしている理由のひとつだろう。BLACKPINKは日本でも多くの同性ファンを獲得し、コンサート会場は8割近くを女性が占める。
圧倒的なパフォーマンスに憧れを抱きつつも、本人たちの人柄にはシンパシーを抱くことができる──その両面性が魅力の肝なのだ。
2016年のデビューから4年が経ち、ようやくリリースされたフルアルバム『THE ALBUM』で、BLACKPINKが様々な面を見せたことに対し好意的な意見が多かった。その評価はセールスにも結びついている。『THE ALBUM』は発売初日だけで59万枚を売り上げ、K-POP女性グループの初週セールス記録を発売1日で大きく更新した(これまではIZ*ONE『Oneiric Diary』の39万枚が歴代記録)。
自身の成長とともに、変化可能であるブランドイメージを持っていることは、貴重である。BLACKPINKはもうすでにK-POPを代表する女性グループだが、これからの活動への期待値が高いグループの一つでもあると言えるだろう。
(momotoxic)