
Getty Imagesより
誰でも気軽に商品を出品したり購入したりできるのが、メルカリをはじめとするフリマアプリの大きな利点です。
しかし中には、誰がなんのために買うのか不明なもの、場合によっては悪用されかねないものも取引されています。お金になるからと出品したものが、不正に利用される可能性があることを我々は覚えておかなければなりません。
政治家の名刺が高価取引
最近話題になった意外な出品物の1つが、政治家の名刺です。
メルカリ内を検索すると、内閣官房長官時代の菅義偉氏の名刺がずらり。
中には、肩書きが内閣総理大臣となっている名刺もあり、こちらは就任からわずか数日後に出品されていました。肩書きと名前のみが印刷された名刺が、はたして本物なのか疑わずにはいられません。
自民党総裁選を争った岸田文雄氏、石破茂氏の名刺も見つけました。
いずれも高額で出品されており、売り切れとなっているものも多数。
政治家の名刺は選挙活動の際に配られることもあり、一般の人でも手に入れることは可能です。しかし、無料で入手した名刺を高値で売るのは、メルカリの禁止行為にあたらないのでしょうか。
メルカリでは、「個人情報を含む出品・投稿、個人情報の不正利用」を禁止しています。その例として「メールアドレス、名刺、その他個人情報に該当するもの」が挙げられていますが、名を知られた方の肩書きと名前のみが印刷された名刺の場合は、これに含まれないといえるでしょう。
しかし一方で、禁止されている出品物には「犯罪や違法行為に使用される可能性があるもの」も挙げられています。政治家の名刺に、悪用される可能性がないとも言えず、微妙なところです。
中には純粋なコレクターもいるかもしれませんが、犯罪の片棒を担ぐ可能性があること、禁止されている出品物を出品することでアカウントが停止される場合もあることなど、心に留めておく必要があります。
銀行の帯封
誰がなんのために買うのかわからない、意外な出品物は他にもあります。例えば、100万円の札束を束ねる、銀行名が印刷された帯封も出品されていました。
商品の説明には「金運アップ」と書かれていますし、実際に財布の中に帯封を入れることで金運が上がるという、まゆつば物のおまじないも存在するようです。
しかしながら、これもまた「犯罪や違法行為に使用される可能性があるもの」の匂いがするようなしないような。
決して違法ではないとしても、普通ならゴミとして捨てるもので利益を得ようとする行為は、出品者のモラルが問われるかもしれません。
SNSのアカウント出品はNG
先日メルカリの公式インスタグラムを見ようと検索していたところ、メルカリでインスタグラムの「アカウント」が出品されているのを見つけてしまいました。
これは、グレーどころではなく完全にアウトです。メルカリでは「サービス、権利など実体のないもの」「SNSなどインターネットサービスを利用するためのアカウント(ID)」の出品が禁止されています。
もし禁止されている出品物を見かけた場合は、商品ページの「・・・」をタップして「事務局に報告」しましょう。
メルカリでは、AIを活用した出品物のモニタリングを行うなど、違法・規約違反行為の抑止に力を入れています。それでも禁止出品物が完全になくならないのが現状です。
一部の悪意ある利用者によって、フリマアプリ自体の信用性が損なわれてしまうのは、残念でなりません。