BLACKPINKにとって“K-POP”とは? 1日14時間の過酷レッスン・練習生時代を乗り越えて

文=菅原史稀
【この記事のキーワード】
BLACKPINKにとってK-POPとは? 1日14時間の過酷レッスン・練習生時代を乗り越えての画像1

BLACKPINK公式Twitterより

 4人組K-POPガールズグループBLACKPINKは、現在世界中で巻き起こっているK-POPセンセーションを語るうえで欠かせない存在と言えるだろう。これまでにリリースされた楽曲のうち「BOOMBAYAH」「DDU-DU DDU-DU」「Kill This Love」MVのYouTube再生回数はそれぞれ10億回を超え、10月2日に発売された『THE ALBUM』は非英語楽曲の参入障壁が高いとされている米ビルボード総合アルバムチャート(Billboard 200)で2位を獲得した。

 BLACKPINKは、デュア・リパ、レディ・ガガ、セレーナ・ゴメス、カーディ・Bといった大物アーティストたちとのコラボレーションを果たし、世界最大の音楽フェスティバルとも称されるカリフォルニアのフェス「コーチェラ(Coachella 2019)」のステージまで成功させている。その人気は、もはや本国・韓国や日本をはじめとするアジア圏にとどまらない拡がりをみせている。

 2016年のデビュー以来、K-POPガールズグループとして数々の新境地を切り開いてきたBLACKPINKの姿を追うNetflixオリジナルドキュメンタリー『BLACKPINK~ライトアップ・ザ・スカイ~』では、メンバーそれぞれの個人的なストーリーが明かされているとともに、国際的人気を誇るK-POPアーティストとして活躍する彼女たちによる“K-POP”への自省的なまなざしが映し出されていた。

多様なルーツのメンバーが集まったBLACKPINK

 フェミニンなイメージを連想させるPINKと、強さを示すBLACKが組み合わされたグループ名が表すように、魅力的でパワフルなパフォーマンスにより、今や“女性が女性を魅了する”ことを意味する「ガールクラッシュ」の代表格として世界中の人々をエンパワーメントする存在となったBLACKPINK。

 グループを構成するのは、韓国で生まれ育ったジス、10歳で単身ニュージーランドへ渡ったジェニー、ニュージーランドで生まれオーストラリアで育ったロゼ、そしてタイ出身のリサ。それぞれ異なるバックグラウンドを持つ4人のメンバーだ。

 プロデューサーのTEDDYが「4人とも違う文化を持っている。お互いを補完しあって完璧なバランスを作っていることが、(BLACKPINKの)魅力だ」と語っているとおり、BLACKPINKというグループが人々を魅了するユニークで力強いステートメントは、メンバーそれぞれがもつ多彩な個性によって成り立っている。

 『BLACKPINK~ライトアップ・ザ・スカイ~』では、そんな4人がデビューという同じ夢に向かい励んでいた練習生時代について振り返る場面がある。

 彼女たちの口から明らかにされたのは、全寮制の生活を送りながら毎日14時間にも及ぶレッスンによる身体的な負担とともに、家族や故郷を離れた心細さや、毎月のパフォーマンス評価によるプレッシャー、激しい競争のなか練習所を去っていく多くの仲間を見送った経験などからくる精神的なストレスについてだった。

「面と向かって厳しいことを言われる。酷評されてもなんとか自分を保とうとした。でも辛かった(ジェニー)」
「待たされることが辛くて、私はかなり限界を感じてた(リサ)」
「先の見えない日々がずっと続いていた(ロゼ)」
「辛いから辞めようかと自問自答することもあった(ジス)」

1 2

「BLACKPINKにとって“K-POP”とは? 1日14時間の過酷レッスン・練習生時代を乗り越えて」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。