BLACKPINKにとって“K-POP”とは? 1日14時間の過酷レッスン・練習生時代を乗り越えて

文=菅原史稀
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 それぞれの言葉は、4~6年の過酷な練習生期間を経験した彼女たちにしか語り得ない、確かな痛みを表していた。

 しかし暗く長いトンネルを歩み続けていた4人の足元を照らし続けていたのは、やはり同じ境遇を分かち合う他のメンバーだったという。

 練習生を始めるまで、歌やダンスの経験がなかったというジスはジェニーのアドバイスが助けになったと言い、また、練習生内でも年長グループだったという二人は協力しあいながら年下の相談にのっていたと語る。

 また、同い年で海外から単身、韓国へ渡った者同士だったロゼとリサは、「リサを見ると元気になれた(ロゼ)」「辛くてもロゼがいてくれた(リサ)」と互いの存在が心の支えになっていたことを明かしていた。

 そして、やがてデビュー準備組としてグループとなった彼女たちは、4人で行うパフォーマンスやデモレコーディングを幾多にも重ね、BLACKPINKを構築させていった。

BLACKPINKにとって「K-POP」とはなにか?

 『BLACKPINK~ライトアップ・ザ・スカイ~』を通じて大きな印象を残したのは、「(私にとって)K-POPは……練習生として過ごした時間がK-POPだと思う」というジェニーの言葉だ。

 ドキュメンタリー冒頭では、プロデューサーのTEDDYが“K-POP”というジャンルについて「僕たちが韓国人だからK-POPと呼ばれるのか?」「よくわからない。“K-POP”とは何なのか?」と語っていたが、ジェニーの発言はその問いへのひとつの答えであるように思えたのだった。

 過酷な練習生時代を過ごしていた当時の心境を、ジェニーはこのように表現している。「きっとできるという確信が私にはあった。私自身を“証明”してみせる、と」。ジェニーによる「練習生として過ごした時間がK-POPだと思う」という言葉の真意は彼女自身、または同じ境遇を経験した者にしか分かり得ないものであろう。

 しかしながら練習生時代から音楽の道を追求する者同士として互いを支えあう彼女たちが、様々な人種や性別の人々が集うコーチェラのステージで語った「私たちと皆さんは違う場所から来たが、音楽が、私たちを一つにしてくれたと思う」というコメントや、「長年のトレーニングも報われたと感じた」「この道を選んで良かったと思えた。これこそ私が人生に望むもの」という思いから、音楽を通じて言語や文化の異なる者同士が一つになれることを“証明”してみせるという彼女たちの在り方そのものが、K-POPの生むエネルギーを体現しているのではないかと感じた。

「会場には色々な人種の人が集まる。それはまさに私たちBLACKPINKと同じ(リサ)」

 初めて全員が集まった夜、ロゼのギターに合わせて日が昇るまで歌い明かしたという4人。それぞれ違うルーツを持ちながら音楽で一つになっていった彼女たちは、今後も音楽を通じてあらゆる垣根を越えて人々の心をつなぎ合わせていくだろう。

(菅原史稀)

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