「ワクチン打つな」「薬は毒」過激自然派の母親がコロナ禍で暴走

文=山田ノジル
【この記事のキーワード】

親の信仰でつらいのは子どもたち

U:母が薬やワクチンを逃れる言葉としてよく使うのが「アレルギーだから」なんですが、反医療活動をしている有名な医師からそう言えと指導されているようです。過激自然派の有名人である漫画家Mさんとも親しくしており、私も反ワクチン講座のようなものに連れていかれたことがあります。いつもいつもLINEでシェアされてくるMさんのブログが本当に香ばしい。下のお子さんは比較的背が高いらしいんですが、それは「ワクチンを1個も打ってないから」「添加物や白砂糖、過剰な化学物質を避けてきたから」なんだとか。あと「子どもにADHDの薬をのませることは子どもをシャブ漬けにすることだ!」と豪語しているようですが、ADHDのお子さんがいらっしゃる親御さんの気持ち考えると本当にため息が出ます。

 Uさんが長女出産時に母から贈られたというM氏の自宅出産体験漫画、私も持っています。一般的な食生活やワクチン接種する人たちをとことん見下す、大変胸くそ悪い本でした。

U:母が入信している新興宗教も、とにかくかわいそうなのは関係者の子どもたち。建物内にも何度か入ったことがありますが、託児設備がかなり悲惨でした。そこに親が通っている子どもたちは、平日は学校が終わってからは施設の地下にある浴室ほどの狭さの部屋で21時ごろまで親が戻るのを待ち、土日も夏休みも毎日そこで1日過ごしているんです。高額なお布施を支払いつづけると階級が上がり、スタッフになるとわずかな時給で「仕事」になるようなのですが、お布施が払えず自宅を民泊にしてそのお金で宗教施設に通いつづけているシングルマザーもいましたね。

 「自然派」というと真剣に子どもの健康や環境と向き合った結果そうなったという印象がありますが、このようなエピソードを聞くにつれ、「子どもを無視した自己実現」「洗脳」「搾取のための舞台装置」という言葉しか思いつきません。

U:妹が中学生のころまでは私とも姉妹仲がよかったのですが、母が家事育児を放棄したあたりからグレてしまい、金銭トラブルなど私たちにいろんな意味で迷惑がかかるようになったので、今は距離を置いています。連絡先も知りません。私の夫は最初のころは「腐っても君の親だから大切にする」と言っていましたが、土地を売りつけられそうになったり保険に勝手に加入させられそうになったり、私と連絡がつかないと職場に鬼電されることから、今では私と同じようにあきれ果て、距離をとるようにしています。子どもたちはまだ小さいのでよくわかっていないようで「いつも家にいないおばあちゃん」くらいに思っているみたいですね。

 その認識のままでいられるよう、なんとかおかしな思想からブロックしてあげて欲しいものです。このコロナ禍において「海外で学ぶ宗教」とは一体何なのか、イヤな予感しかありませんが、まずは感染せずご無事に帰国されますように。震災時にさまざまなデマが蔓延するように、非常時では冷静ではいられなくなるもの。トンデモの芽は、そんな心理を養分にして一気に狂い咲くでしょうし、またそこへつけ込んでくるよからぬ沼が多発していそうです。コロナ禍でパワーアップしつづけるUさん母のお話をうかがい、まだまだ同等のエピソードが埋もれている確信しかありませんでした。

1 2 3

「「ワクチン打つな」「薬は毒」過激自然派の母親がコロナ禍で暴走」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。