毒親育ちにとって、現実は厳しい
本書『母を捨てるということ』から、現役の医師でも虐待につながる事象については自力で情報を集めるしかないということや、虐待や依存の問題の根の深さを思い知りました。
また「つらいのは私だけ」と思いがちな自分の卑しさを反省するなど、さまざまなことを思うきっかけになりました。
“毒親”という言葉が一般に浸透したように、親からの虐待や依存症などに関する正しい知識も少しずつ市井に広まってはいるものの、その歴史が浅い日本では、私たち当事者自身が道なき道を切り拓き、築き上げることが未だ必要です。そのような社会に住む私たちにとって現実は厳しい。
そんななか出版された本書は私たちが道なき道を切り開く際の、頼もしいコンパスになってくれることでしょう。あなたの武器庫(比喩です)に一冊、ぜひ装備しておかれてはいかがでしょう。