出川哲郎がエイトブリッジ・別府ちゃんに仕掛けた性行為強要の「ゲイドッキリ」

文=wezzy編集部
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出川哲郎がエイトブリッジ・別府ちゃんに仕掛けた「ゲイドッキリ」とセクハラの画像1

出川哲郎/GettyImagesより

 10月19日の夜に放送された番組『有田プレビュールーム』(TBS系)に、見過ごせない場面があった。MCをくりぃむしちゅーの有田哲平が務めるこの番組は、人気芸能人が短いVTRを持ち寄ってプレゼンするという内容で、今年7月からスタートしたもの。

 19日の放送では、出川哲郎が自ら考案したエイトブリッジの別府ちゃん(別府ともひこ)にドッキリを仕掛けるというVTRがあった。エイトブリッジはくりぃむしちゅーの所属する芸能プロダクション・ナチュラルエイトのコンビで、別府はブレイクするまで有田の運転手をしていた。最近は、そのとぼけたキャラで人気が出ている。

 出川は、「おじさんがおじさんを好きなってしまったら…」というドッキリを提案した。出川が実はゲイで、別府を強引に抱こうとする、というドッキリで、番組ではこれを『おっさんずラブドッキリ』と呼んで展開。偽番組オファーで楽屋挨拶にやってきた別府に、出川は「かわいいね」と言い寄る。

 出川は早速、「この手の番組ってスタッフ側が『この人を推してください』ってことが多いけど、これは本当、俺がリアルガチで別府ちゃんがいいと要求した」と、別府への好意をあからさまにアピール。人気芸人である自らが別府を芸人として認め、番組に呼んだのだと暗に権力を示した。

 次に出川は、「ごめん、ここ押してくれる?」と、肩甲骨あたりのマッサージを依頼。素直に肩〜背中をマッサージする別府に、「彼女はいないの?」と尋ねると、「いないですね〜ずっと有田さんと一緒にいますね」との返事が。

 しつこく「でもモテるでしょ? かわいいって言われるでしょ? めっちゃかわいいもん」と
「かわいい」を連呼しながら、「別府ちゃんにもお返しのマッサージをやってあげる」と言い、今度は出川が別府の肩を揉み始めた。出川はさりげなくTシャツを脱ぎ、上半身裸になって別府の筋肉をベタベタ触る。

 「意外と筋肉がある。かわいいからさあ、華奢だと思ってた。硬いなあ〜」と言いながら、出川の手は徐々に別府の鎖骨の方へ移動し、胸へ。「すごい乳首触ってますけど」と動揺する別府のTシャツを脱がせようとする出川。出川も脱いでいることに気付いて驚き、焦り始めた別府だが、出川は構わずそのTシャツを脱がせ、バックハグで密着して胸を揉んだ。

 「芸能界はこうやってみんな仕事とってくるから。みんなそうして売れてきてるから。有田もだよ。もちろん俺も」と囁く出川。

 楽屋には衣装を着替えるための畳スペースがあるが、そこへ移動しパンツ一枚になった出川は、「早く別府ちゃん」と急かす。別府もパンツになり、覚悟を決めたかのように寝転ぶと、ようやくドッキリのネタバラシとなった。

「怖かった〜〜〜よかった〜〜まじで怖かった〜出川さん〜〜〜」

 恐怖と緊張から解放されて笑顔の別府。“リアクション王”の出川は、「別府ちゃん頼むわ、もうちょっと嫌がって! パンツになられた時点で俺もう引いてるからまじで!」と苦笑してドッキリを終えた。

 出川は、「別府ちゃん怖かったっていうけど俺のほうが怖かったからね」と感想を話していた。別府が「その気になる」ことで、あれ以上コトが進んでしまったら? と思うと、取り返しのつかないことになりそうで怖かったということだろうか。

 ゲストとしてスタジオでVTRを見ていたV6の三宅健は、「今日いち面白かったですね。顎外れるかと思った」と評したが、令和2年、自分自身が性的マイノリティでなくとも手放しに「面白い」と笑えるようなネタではないのではないか。

 このVTRからわかることは、男性から男性への性行為の強要は、実際には「セクハラ」であるにもかかわらず「笑えるネタ」として消費されているということ。「芸能界」という場所における「枕営業」という名の性行為強要も(実際にあるにもかかわらず)、おそらく「(そのようなことをやらなそうな)出川がやるから」という理由で「笑えるネタ」にしていること。そして、同性愛者もまた「笑えるネタ」にされてしまっているということだ。

 同じテレビ局のべつの部署が制作する番組でどれだけ「LGBTQの人たちの権利が〜」などと真面目な論調で取り上げても、別のバラエティ番組では「ネタ」にしてしまう。そのように「ネタ」にされることで苦しんできた「LGBTQの人たち」がいることは無視されているのだろうか。

 出川哲郎がこの企画を一から全て自分一人で考えたわけではもちろんないだろうし、構成作家不在のバラエティ番組もない。だがこの企画が「面白いからやろう」と複数人の同意の元で実施されたことは事実だ。しかもそこに関わった人々に、おそらく悪意はない。差別的なつもりもなく、むしろ「あなた、それは差別的ですよ」と指摘されたら傷つくのだろう。純粋に面白いものを作りたいだけで、このVTRは彼らにとっては「面白い」のだ。とんねるずがゲイ男性のキャラクターを作って、みんなで純粋に笑ったように。

 今から3年前、出川哲朗は『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)で、オーストラリアのゲイバーにおける「恐怖体験」を明かして笑いを取っていた。その時と似た恐怖を今回、別府は感じたかもしれないが、それも“面白エピソード”でトークのネタの一つに過ぎないので良し、という感覚なのだろうか。当時の記事を以下に再掲するので、興味のある方は読んでみて欲しい。

出川哲朗が「最も辛かった」と振り返る20年前のゲイ差別ロケ

 随分前から「(自主規制のせいで)テレビはつまらなくなった」という意見を耳にする。そういうとき大概「いま振り返ってみるとあの企画はありないよね」と過去の破天荒な番組を懐かしむ声がセットになる。8月15日放送の『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)でも、そんないま考えるとありえないロケを出川哲朗が振り返る一幕があった。

 トレンディエンジェルが「出川哲朗伝説」として、出川が「最も辛かった」という、あるロケの話題をイラストの描かれたテロップとともに持ち出すと、出演者のヒロミがすかさず「最高だよコレ」と反応する。それほどこの話は定番の「ネタ」になっているようだ。

 このロケは、世界中のゲイバーでコンドームを配布しエイズ撲滅を呼びかけるという「ストップエイズキャンペーン」と題された不定期企画で、シドニーのゲイバーに行ったものだ。90年代人気番組として席巻していた『進め!電波少年』(日本テレビ系)の特別番組『電波少年INTERNATIONAL』のワンコーナーとして1995年12月31日に放送されている。

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