黒木瞳から伊藤健太郎への「キス」指示はセクハラ? 「#me too」に沈黙した日本の芸能界

文=宮西瀬名
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映画『十二単衣を着た悪魔』Instagramより

 11月公開の映画『十二単衣を着た悪魔』の完成披露報告会が10月20日に東京都内で行われ、出演者の伊藤健太郎や三吉彩花、伊藤沙莉、監督を務めた黒木瞳らが登壇した。その模様はシネマトゥデイやオリコンなどのYouTubeチャンネルでも公開されているが、笑顔で明かされた制作の裏話に、考えこまざるを得なくなった。

 ある日の撮影本番前、健太郎は黒木監督に呼び出され、「沙莉にキスをしろ」と台本にない演出を指示されたという。健太郎は、「僕も最初は驚きまして、『タイミングがきたらやってくれ』って言われて、そのタイミングになったんですけど、行くべきかちょっと迷っていたんですよ。そうしたら本番中なのに(黒木から)『行け!行け!』って言われて」とアドリブでキスをして良いものか悩みながらも、黒木に煽られてキスをしたことを明かした。

 そのシーンを撮り終えた後、沙莉は“『何してんだよ』みたいな目”で健太郎を睨んだそうで、健太郎は「『違うんだ、俺は今、操られているんだ』って」と釈明。二人ともに黒木監督のアドリブ指示に困惑させられたようだ。

 この暴露に黒木監督は「(健太郎が)へこたれてなかなか(キスに)行かないんですもん」と笑顔。また、「女優の身としたら、そういうことはルール違反なんですよね。もし私が女優だったら怒るかもしれない。だから沙莉ちゃんには申し訳なかったなって思ったんですけど、クレームもなかったので安心しました」とも語った。

 このアドリブについて、黒木にクレームを入れようと思わなかったのかを聞かれた沙莉は、「よぎりもしなかったです、クレームなんて」と首を振っていた。

 事前に予定のない“キス”演出でも、その指示をしたのが監督、しかも黒木瞳という大女優であれば、若手俳優はクレームを入れられるはずもない。なにより、黒木は自分が同じことをやられたら「怒っているかもしれない」と話しているのに、それを若手女優である沙莉に強要しているのだから、業界的には“これは普通のこと”という暗黙の了解があるのだろう。

 演者、特に若手がこうした監督の演出に物申せば、すぐさま情報が広まり「気が強い」「こだわりが強い」「気難しい」「ワガママ」などと週刊誌などに書かれることもお決まりだ。

 実際に現場で試行錯誤し演出家と意見を交わすという戸田恵梨香や上野樹里などはしばしば、「面倒な女優」という扱いを受けてきたし、亡くなった竹内結子さんも死後になって『嫌なことは嫌とハッキリ伝える性格で「気が強い」と評されることもあった』などと言われている。

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