牛久入管で続くハンスト 解放と再収容を繰り返し外国人を追い詰めるやり方が横行している

文=織田朝日
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 イラン人のヤドラさんも収容は4年以上とかなり長い。

「ここにいる人たち(被収容者)は、まるで人体実験をされているようだ。薬で試されているかのよう」

 入管の真意はともかく、ヤドラさんも含め、そう答える被収容者は多い。

 彼は摂食障害により食事がとれない。それにより若い常勤医から「食べろ」と執拗に攻め立てられているという。職員は「食事をしないのはハンストではないか?」と疑っているらしいが、ヤドラさんの場合は病気で食べられないのでどうすることもできない。

 そんなある日、常勤医がヤドラさんの部屋に押し入ってきて怒鳴りつけてきた。あまりに罵倒するので、ヤドラさんは聞くのが苦しくなり身を縮め、耳をふさいだ。すると急に口と目を無理やりこじ開けてきた。

 後に、屈辱的な行為を受けたと職員に訴えても、「酷いですね」の一言で終わりだった。誰も声を聞こうとしてくれない。ヤドラさんはさらに続ける。

「無理やり点滴を打たれたことがある。採血のために医務室へ呼ばれていたが、医者が急に『点滴を打つ』と言って、職員が6人ほど押さえつけてきた。点滴の中身がなんなのか説明はなかった。
 俺は急に体の自由を奪われ、恐ろしくなり泣き叫び続けた。医者はなんだかわからない注射を打とうとするが、俺があんまりもがくので、『危ないから』と言って、点滴の液体の中に注射の液体を混ぜて、点滴を続けた。
 それでもなんの注射か分からない。こんな酷い話あるか!」

 そしてヤドラさんは、怒りと悔しさの交ざった声で「どうかここで、こんな酷い目に合っている事を多くの人に伝えてほしい」と訴える。

秋以降、事態がさらに悪化する可能性も

 ペルー出身のカルロスさんもまた収容期間が長い。

 カルロスさんはここでの処遇、特に常勤医に不信感を抱いている。もう何年も前から、体の調子が悪いのにしっかり診てもらえていない。

「薬は普通一錠ずつ銀色の入れ物に入っているものじゃないですか? ここでは職員がその錠剤をいちいち出して小さなビニール袋に小分けにしています。これでは何の薬なのか分かりません。外に出られたら、すぐに自分の選んだ病院に行きたい。
 あと以前、部屋で倒れた人がいたので職員に医者を呼ぶよう頼みました。職員は『医者を部屋に入れることはできない』と言ったので、俺たちが倒れた人を医務室まで運んだ。だけど振り返れば、常勤医は被収容者の部屋に来て『ハンストしているのか? 食べないと薬は出さないからな!』」と怒鳴っていました。医者が部屋に入れないなんてことはない。
 言っていることが違うんだ、ここは」

 牛久入管の総務課に対して長期収容について問い合わせると、「入管側は入管法に沿っているのみ」と回答。ちなみに、コロナ対策として被収容者を全員出す予定は、いまのところないとのこと。

 毎週水曜日に面会に来ている「牛久入管収容所問題を考える会」の田中喜美子さんに話を聞いた。

「早く中にいる人に仮放免と、ビザを出してほしい。どうか(法務省は)難民認定、アムネスティ(大赦、恩赦。また、特に設けた救済措置。アムネスティによりビザを得られる国もあるが、日本ではまだない)をちゃんとやってほしい。15年以上も(就労できず保険適用もされない)仮放免のままの人などは気の毒すぎます」

 10月13日、インドネシア人が収容施設内で収容5日目にして亡くなってしまった。死因を入管側はまだ発表していない。牛久入管でもそれ以外の収容施設でも、無茶な収容によりいつ誰が命を落としても少しも不思議ではない。

(織田朝日)

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