『梨泰院クラス』を生んだ韓国エンタメ業界構造の変化〜“ウェブトゥーン”原作の映画・ドラマが増えるワケ

文=くれい響
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 原作と作画がほぼ同一人物という権利関係の問題からも、ウェブトゥーンは業界で注目されていた。

 近年は原作権をドラマの制作会社が買い取る従来の流れから、配信会社自体が映像会社(部門)を持つことで、制作に大きく携わる新たな流れも生まれている。

 たとえば、LINEを傘下にするなど、韓国トップのIT企業として知られる「NEVER」。過去に『神と共に』や「チーズ・イン・ザ・トラップ」を配信した「NEVERウェブトゥーン」は、現在「スタジオN」という映像部門を設立している。

 また、LINEと並ぶコミュニケーション・アプリ「カカオトーク」で知られる「カカオ」は、「カカオM」を設立。過去に「ミセン」を配信した「カカオ」傘下の「Daumウェブトゥーン」と「カカオM」がケーブルテレビ局「JTBC」のスタジオと共同制作したのが、クァンジン原作によるドラマ『梨泰院クラス』(20年)である。

 1月下旬からのJTBCでの放送だけでなく、最終回直後の3月末からはNetflixでの世界配信も行われた本作は、コロナ禍の日本でも多くの中毒者を生む、一大ブームを起こしたのはご存じの通り。ちなみに、日本ローカライズされた原作「六本木クラス〜信念を貫いた一発逆転物語〜」は、「カカオ」傘下である漫画アプリ「ピッコマ」で読むことができる。

 16年、韓国最大のデジタル音楽配信サービス「Melon」を買収したことで急成長を遂げた「カカオM」だが、現在は映画会社やドラマ制作会社のほか、タレントのマネジメント会社なども買収。3年後の23年からは、毎年15本の映画やドラマなどを制作し、年間4000億ウォン(約400億円)規模のコンテンツを目指すと発表していることから、その主軸となるウェブトゥーン原作の映像化がますます増えていくのは間違いないだろう。

(くれい響)

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