愛されて続けて40年! プラチナ万年筆が誇る日本で唯一の超ロングセラーシャープペンシル「プレスマン」

文=出雲義和
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 新製品が次々と登場する文房具業界には、あまり知られていないけれどロングセラーとして長く愛されて続けている優れた文房具が数多くあります。

 テレビコマーシャルなどの広告をあまり打たないために、ユーザーから見ると「えっ! そんなすごい文房具があったの?」と驚かれる製品のひとつが、プラチナ万年筆のシャープペンシル「プレスマン」です。

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 サザンオールスターズ「いとしのエリー」が大ヒットした1979年に発売されたSONYのカセットプレイヤー「WALKMAN」はその後の音楽を聴くスタイルに革命をもたらしたマシンでしたが、まったくの0(ゼロ)から生まれた製品ではなく、1978年に報道記者向けに発売されたカセットレコーダー「プレスマンTCM-100」がその原点でした。それと同じ年にプラチナ万年筆が速記性能に優れた記者向けのシャープペンシルとして発売したのが「プレスマン」でした。

 奇しくも同じ年に誕生したふたつの「プレスマン」は、プレス(報道)向けに開発されて記者をサポートするための専門的な道具でしたが、40年の時を経た今でも愛され続けている製品です。

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10mmのロング芯を採用するプレスマン

 あらためて、プラチナ万年筆から1978 年に発売からされた「プレスマン」は今もなおロングセラーを続けるシャープペンシルです。

 外観を見る限り特別な特徴を備えたシャープペンシルには見えませんが、ロングセラーを支える秘密は、このプラスチック樹脂に包まれた中身に隠されています。

 大きな特徴のひとつは一般的なシャープペンシルでよく使われる太さ0.5mmの芯ではなく0.9mmというひと回り太い芯を採用したことで、折れにくいというポイントがあげられます。

 また全長100mmというもっとも普及している替え芯より40mmも長い、超ロング芯をつかっているために、1本の芯でも長い筆記が可能になっています。

 プレス(報道)関係者向けに作られたこのモデルは、過酷な使用条件の中でも、書きやすく、芯が折れにくい、かつくっきりした文字が書けて速記性に優れているといった性能から、多くの記者に愛されるシャープペンシルとなりました。

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0.9mmの筆記

 これまで0.5mmのシャープペンシルを使ってきた人からすると、0.9mm芯は極太のイメージを持たれるかも知れませんが、今人気があるノートのフォーマット5mm方眼に書いてみると、意外に違和感はなく、むしろ読みやすく感じてもらえるはずです。

 また、0.9mm芯は「プレスマン」だけの特別サイズではなく、文房具店のシャープペンシルリフィルコーナーをよく探して見ると、プラチナ万年筆以外のメーカーからも発売されているので、決してマイノリティーなサイズではありません。ただし、全長100mmのロング芯はプレスマンだけの特徴です。

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力を加えると芯が引っ込んで折れにくいシステムを採用

 プレスマンが唯一のロングセラーと呼ばれる理由にもうひとつ特徴をつけ加えるなら、その破格な価格を上げたいと思います。

 昭和、平成、令和と3つの年号を渡りながら、1978年に初めて登場して以来40年間変わらない、1本200円で購入できるコストパフォーマンスは他に類を見ない優等生なシャープペンシルと言えます。

 現在、シャープペンシルの世界では「芯が折れない」という特徴を謳ったモデルが各メーカーの主力商品となって、ここ数年「折れない合戦」を展開しています。

 これらの製品もそれぞれに魅力的ですが、プレスマンは太い芯を使い折れにくいという機構を40年前に完成させていたことと、それらのシャープペンシルが高額なことに対して1本200円というエネルギードリンク並みの価格で販売されていることが、すでに奇跡と言っていいかもしれません。

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こっそりバージョンアップしたプレスマン

 40年続くロングセラーのプレスマンも、その間の技術的な進歩もあり、シャープペンシル誕生100周年にあたる2015年にバージョンアップがなされて、以前のモデルよりも軽い筆圧でも滑らかな書き心地のシャープペンシルに進化しました。これを機に本体に記されたプレスマンのロゴも一新されて、スタイリッシュなデザインになりました。また、これまで事務的だったボディも黒だけでなく、明るくカジュアルなカラー6色が加わり、新しいユーザーにも好評を得ています。

こんな人にオススメしたいプレスマン

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 記者や速記士などに向けて開発されたプレスマンですが、シャープペンシルとしての完成度は計り知れないほど高いモデルでありながら、普段使いに敷居の高さを感じさせない、財布にも優しいフレンドリーな価格も魅力です。

 鉛筆を使い慣れている人には、0.9mm芯はちょうどいい太さで学習やメモにも最適です、加えて細かい文字が見えにくいと感じている人にも、視認性の高いはっきりした文字を書くことができます。

 今お使いの0.5mmのシャープペンシルに少しでも違和感を憶える人に、ぜひオススメしたいプラチナ万年筆が誇る奇跡のロングセラーシャーペンシル「プレスマン」です。

(出雲義和)

データ
メーカー プラチナ万年筆
商品名 プレスマン MPS-200
カラー ブラック/ホワイト/レッド/イエロー/ブルー/グリーン
価格 200円(消費税別)
替芯 100mm 2B
価格 100円(消費税別)

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