机上で手許を照らすデスクライトは、なにか書いたり作業をしたりするとき絶対必要なものですよね。でも、たいていのデスクライトって大きくて、コンセントが必要ですし、ご家庭でも職場でもほとんど備えつけと同じ状態になっていませんか。
作業机を確保できるスペースをお持ちの方はそれでいいと思うのですが、狭い住宅事情を鑑みると、本当は「使いたい机にデスクライトを持って行きたい」ですよね。
今回ご紹介する蛇の目ミシン工業の「Halo Go」は、そんな貴方の強い味方になります。
製造はイギリスのデイライト社です。製品仕様としては「拡大鏡つき太陽光LEDライト」になります。順を追って性能をご説明いたします。
最大の特徴は、ライトパーツです。白い樹脂製の円盤がアルミニウムのスタンドに乗っているスタイルは、どこかSFチックでもあります。この円盤がライトパーツで、スタンドの前傾機能によって上下します。内部にはリング状に並んだLEDライトが装備されています。色温度6,000ケルビン、演色性はRa95+、光束315ルーメンです。
数値で言われてもピンとこないかもしれませんが、「ケルビン」は光の色、「ルーメン」は光の総量だと思って下さい。色温度6,000ケルビンは正午の太陽光に相当します。3,000ケルビンはかなり黄色く、8,000ケルビンはかなり青白くなります。中間である6,000ケルビンは純白で、太陽の光の下で見た場合にもっとも近い色になります。
演色性とは、光に照らされたものの見え方のことです。太陽光の演色性を100(Ra100)とした場合、その100に近ければ近いほど、太陽の下で見たときと同じような色で照らされたものが見えています。美容室や美術館、医療現場などではRa90以上の演色性を推奨されていますが、本製品はそれを超えた性能を有しています。
光束315ルーメンは乗用車のヘッドライトなどと較べるとぐっと数値が低いですが、想定されている使用用途に対しては充分な数値だと思われます。
では、本製品の「想定されている使用用途」とは何でしょうか。
実は、ライトパーツの最大の特徴は、そのデザインでもLEDの能力でもありません。中央が開き、そこに拡大鏡が装備されていることなのです。
本製品は、手許で細かな作業を行う際、手暗がりにならず、さらに拡大鏡を手放しで設置することによって両手での作業を容易にする、作業用のデスクライトなのです。
その場合、通常のデスクライトよりも光源はぐっと見たいものに近づきます。作業者は拡大鏡を覗き込みながら作業をしますから、明かりは手許だけを照らすことになりますよね。
拡大鏡は2.25倍で、一部4倍の部分があります。4倍をメインに使用したい場合は、レンズを回転させて好きな位置に移動させることができます。ライトパーツごと上下180度回転、左右180度回転しますので、角度調整も自在です。
そして個人的にもっとも便利だと思う点が、バッテリーを内蔵していることです。microUSB TYPE-Bで同梱のUSB ACアダプタを装着し、本体内蔵のリチャージャブルバッテリに充電が可能です。充電時間は約6時間です。
また、市販のモバイルバッテリを装着して給電も可能ですので、コンセントが近くにない、あるいは内蔵バッテリでは持たないほど永く使いたい場合はぜひお試し下さい。
本体中央の丸いボタンを押すことで、電源のオン→高照度(4,000ルクス)→低照度(2,000ルクス)→電源のオフを行います。ルクスは照度の単位で、「1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされるときの照度」を現します。4,000ルクスというとJIS照度基準の「超精密な視作業の場合」に較べても相当明るいですが、これはLEDライトから対象物が15センチの位置にある場合のもので、通常のデスクライトのようにスタンドをまっすぐに伸ばした位置での照度ではありませんのでご注意下さい。ただ、実際に使ってみた限りでは、まっすぐ伸ばした位置でも読んだり書いたりするのに充分な明るさを発揮しています。
4,000ルクスの高照度で使用するとバッテリは約4時間、2,000ルクスの低照度で使用すると倍の約8時間使用できる設計になっています。8時間の間にどこかで充電できれば、けっこう持ちますよね。
スタンドを完全に倒すと平たくなるので、バッグに入れて移動も楽です。本体重量は700グラムで、作業する場所に適切な光源がないことが判っている場合など、このHalo Goを持って行くと便利だと思います。
我が家では現在、Halo Goは息子の勉強机に置かれていますが、彼が食卓や床(!)など、気分を変え場所を変えて勉強したいときはひょいと持ち上げてHalo Goをそこに設置し、活用しています。わたしも小物の撮影などに最適の光源なので、ときたま息子から借りて好きな場所で写真を撮るのに使用しています。
拡大鏡で手許を大きくする作業は行わない、と仰る方でも、このどこでも電源レスで持ち運べる便利さはいちど味わっていただきたいですね。
(他故壁氏)