台湾ブランドの万年筆TWSBI(ツイスビー)は2016年から日本での販売がはじまり、今では多くの万年筆ファンから支持を集めるブランドに成長しました。
万年筆初心者に人気のあるTWSBIエコをはじめ、クラシックやVAC700などのラインナップがある中で、TWSBI万年筆のフラッグシップとしての存在がダイヤモンドシリーズです。

フラッグシップモデルのダイヤモンド
フラッグシップモデルと聞くと、高額な万年筆をイメージしてしまうかもしれませんが、TWSBIダイヤモンドシリーズ(以下TWSBIダイヤモンド)は1万円から購入できる万年筆です。
近年国内メーカーの万年筆の価格改定があり、これまで1万円だったモデルが数千円アップしてしまったので、よりお買い得感のある万年筆として目に映るかもしれません。

クリスタルカットカットに輝くボディ
TWSBIダイヤモンドには、スタンダードモデルのALと、そしてショートサイズのminiがありますが、どちらも軸に光を当てると中のインクが宝石のように輝いて見えることからダイヤモンドと名付けられました。透明なペン軸は様々なカラーインクを楽しむユーザーにも嬉しい万年筆と言えます。

大容量でインク切れの心配が無い万年筆
万年筆にインクを入れる場合、カートリッジ式かコンバーターという器具を使う2つの方法が主流です。ところがTWSBIはこのポピュラーな方法とは別に、ペリカンやモンブランなどの高級万年筆に採用されている、本体吸入式というペン軸自体がインクタンクというシステムを採用しています。
カートリッジやコンバーターを使用した場合、インクの容量は概ね1cc未満が多い中でTWSBIダイヤモンドはその2倍にあたる約2ccの容量を誇ります、また中のインク残量が常に見えることから、外出先でインクが切れる心配はまずありません。

美しい輝きを放つインクボトル
TWSBIダイヤモンドを語る上で、専用のインクボトルダイヤモンド50(以下ダイヤモンド50)を外す事はできません。万年筆と同様にクリスタルカットされたガラス製のダイヤモンド50も光を反射して宝石のように美しい輝きを放ちます。見た目の美しさに目を奪われますが、ボトルの底面が広く机の上に置いても倒れにくい実用性も備えています。

最強の組み合わせダイヤモンド×インクボトルダイヤモンド50
ダイヤモンド50の特徴は、美しさや安定性だけではありません、万年筆ダイヤモンドとインクボトルダイヤモンド50を組み合わせることで、インクに直接触れる機会がほとんどなくインクの吸入ができるシステムが実現しました。

無駄のないインク吸入が実現
まず、万年筆ダイヤモンドの首軸(ペン先部分)を本体から取り外します、こんな風に取り外しができる万年筆はあまり例がありませんが、特別な工具などは必要としません。
続けてインクボトルダイヤモンド50の二重構造のキャップ(上層部)を外すと、ボトル中心に突起部分が現れ、万年筆ダイヤモンドをここにドッキングさせて尻軸を回転させると、面白いようにインクが吸い上げられていきます。
二重構造のキャップから伸びるノズルが、吸入の際余分な空気を吸い込まずに、インクボトル内のインクを無駄なく吸い上げる仕組みになっています。このシステムは万年筆ダイヤモンドシリーズとインクボトルダイヤモンド50の組み合わせがあってはじめて成せる技です。

従来のインク吸入式にも対応するダイヤモンド50
ダイヤモンド50はTWSBIダイヤモンド専用でありながら実は、従来型のインクボトルとしてTWSB製品だけでなく、他社の万年筆に対応しています。
二重構造のキャップの上層部を外すとTWSBIダイヤモンド専用ですが、ノズル部分が付いた二層目まですべてを外すと、一般的なインクボトルとなるので、コンバーター式でも直接吸入式の万年筆でも、柔軟に対応してくれます。

さらに新しいTWSBIのサービス
2020年7月から、TWSBIダイヤモンドシリーズのペン先ユニット販売がスタートしました。使用しているペン先の太さを変えてみたい時に、新しい万年筆を購入するのではなく、ペン先のみを交換すれば手軽に他の字幅を試してみることができ、また万が一ペン先が破損した場合にも便利です。
対応しているのは、TWSBIダイヤモンドシリーズとダイヤモンドミニ用の2つのサイズ。ペン先の字幅はFE(極細)/F(細字)/M(中字)/B(太字)各2500円税別、スタブという特殊ペン先の1.1/1.5サイズは3000円税別で、それぞれ販売されています。
まとめ
TWSBIの万年筆は、これまで歴史ある万年筆メーカーが思いつかなかった斬新なアイデアを盛り込み、アグレッシブな製品を作り出しているブランドです。
今回のダイヤモンドシリーズもフラッグシップでありながら、欧米の万年筆のエントリーモデル並みの価格で購入できることも、嬉しいポイントです。
さらに、万年筆ダイヤモンドとインクボトルの組み合わせで実現できるユニークなインク吸入システムを、ぜひ体験してほしいと思います。
日本にやってきて5年、全国の文具店でも購入できる機会が増えたTWSBIが、次のスタンダード万年筆になる日はそう遠くないかもしれません。
(出雲義和)
TWSBIダイヤモンド
価格 8500円(税別)AL 10000円(税別)
ペン先 ステンレススチール
字幅 FE/F/M/B/スタブ
(字幅スタブは+1000円、一部の特別仕様モデルは価格が異なります)
TWSBIダイヤモンドミニ
価格 8500円(税別) AL10000円(税別)
ペン先 ステンレススチール
字幅 EF/F/M/B/スタブ
(字幅スタブは+1000円)
TWSBIダイヤモンドインクボトル50
価格 4500円(税別)
素材 ガラス製
インク容量 50cc