
杉田水脈議員オフィシャルサイトより
10月13日、性暴力に抗議する運動である「フラワーデモ」の主催者らが杉田水脈議員(比例中国ブロック)の<女性はいくらでも嘘つける>という発言に関し、杉田議員への抗議の署名約13万6千筆を提出するため、自民党本部を訪れた。なお、党側はアポイントがなかったことを理由に受け取りを拒否している。
当初、杉田議員は発言を認めていなかったが、10月1日に一転し、自身のブログにて謝罪をした。
「謝ったのだからいいだろう」という声も聞こえてくるが、なぜ性暴力被害者たちは抗議の声を挙げ続けるのか。経緯を振り返りながら問題の本質を見ていきたい。
自民党はブログ謝罪だけでこの騒動を終わらせるつもりか
杉田水脈議員問題の発言があったのは9月25日、党本部での会議にて。共同通信によると、性暴力被害者の相談事業を民間に任せることを批判し、そのなかで「女性はいくらでも嘘をつける」と発言。会議後、杉田議員は発言を否定したが、会議に出席していた複数人からそのような発言があったとの証言がされた。
翌26日にも、杉田議員は自身のブログで<報道にありましたような女性を蔑視する趣旨の発言(「女性はいくらでも嘘をつく」)はしていないということを強く申し上げておきたい>と否定している。
世間の注目を集めるなか、29日には、橋本聖子内閣府男女共同参画担当大臣が、記者会見で、杉田議員の発言に関し「声なき声を聞いて、政策にしっかりと結びつけていくよう努力をされている方を踏みにじるような発言で非常に残念」「自民党として適切な措置をされていくべきではないか」と発言。
30日には下村博文政調会長が杉田議員に対し、<発言の真意が正確に伝わるよう、より丁寧な説明が必要だ>と口頭注意したことが報じられ、それを受けてか杉田議員は記者団に<真意が伝わる説明をするよう注意を受けたので、今後ブログでしっかりと書いていきたい>と話したとのことだ。
そして、翌10月1日に<ご指摘の発言があったことを確認しましたので、先のブログの記載を訂正します。事実と違っていたことをお詫びいたします><嘘をつくのは性別に限らないことなのに、ご指摘の発言で女性のみが嘘をつくかのような印象を与えご不快な思いをさせてしまった方にはお詫び申し上げます>と、自身のブログに掲載する結果となった。
自民党としてはブログでの謝罪だけで、この騒動を終わらせるつもりなのだろう。杉田議員の謝罪以降、自民党のトーンダウンが感じられる。
10月3日、自民党・世耕弘成参院幹事長は杉田議員の発言に関し、謝るタイミングやブログでの謝罪という形を批判。<性暴力被害をめぐる杉田氏の発言は、党の方針とは全く相いれない>と、「次はない」という趣旨の発言をしている。だがつまり、今回はこの対応で許されたということなのだろう。橋本聖子男女共同参画大臣も2日の記者会見で「杉田議員も私も同じ思い」と話している。
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