杉田水脈議員「女性はいくらでも嘘をつける」発言の論点は“女同士の戦い”ではない

文=雪代すみれ
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”国会議員”としてこれで終わらせて良いのか?

 杉田議員の発言が報じられた当初から、ネット上では「性暴力被害者へのセカンドレイプ」との指摘や、実際に性暴力被害に遭った経験のある人からは「杉田議員の発言に傷ついた」という声があげられている。杉田議員のブログでは、ブログの内容に誤りがあったこと及び、<女性のみが嘘をつくかのような印象を与えご不快な思い>をさせたことについての謝罪を行っているが、問題の本質はそこではないだろう。

 性暴力被害当事者たちが納得いく説明がされたとは言い難く、10月11日、オンラインで行われたフラワーデモ(性暴力根絶を目指すデモ)では、杉田議員への抗議を展開した。

 性暴力被害の取材を行っているライターの小川たまかさんは、杉田議員が9月26日のブログに<被害者が民間の相談所に相談をして「気が晴れました」で終わっては、根本的な解決にはなりません>と綴ったことについて、<ワンストップ支援センターはただ相談を聴く場ではなく、身体的・精神的な医療ケアや法的支援、警察への届け出の同行支援などを包括的に行う場所。そもそも(杉田議員は)ワンストップ支援センターがどういったものなのか理解していないのでは>と指摘。

 また、エトセトラブックス代表の松尾亜紀子さんは、<世間では今回の件を“女同士の戦い”と矮小化する声もあるが、国会議員があのような発言をすることが問題。性暴力被害当事者の中には杉田議員の発言を聞き、傷ついて体調が悪くなっている人もいる>と話した。

繰り返される杉田水脈議員の問題発言

 10月14日の共同通信の報道によると、杉田議員は<ブログに書いてある以上はコメントできない。こういう形での説明は党と相談し、指導をいただきながらやっている>と話したとのこと。これ以上説明はしない、かつそれが自民党の指導であるというのは、党としては世間が忘れるのを待っているのではないかという印象を受ける。

 杉田議員は以前にも『新潮45』で「LGBTには生産性がない」と書いたり、国民民主党の玉木雄一郎代表の選択的夫婦別姓に関する質問中に「だったら結婚しなくていい」とヤジを飛ばすなど、度々、問題発言を繰り返してきた。国会議員の発言には強い影響力があり、こうした発言を繰り返しながらもブログの謝罪だけで許されていては、一般社会でも差別的言動や性暴力被害の軽視が再生産され続ける恐れがあるのではないか。

 6月11日には内閣府が「性犯罪・性暴力政策の強化の方針」を公表しているが、そこでは性犯罪・性暴力の特性として<被害者が勇気を出して相談しても、二次的被害が生じ、被害を誰にも話さなくなり、社会が被害の深刻さに気付かず、無知、誤解、偏見がそのまま温存されるといった悪循環に陥っている場合があること>を挙げており、二次被害の問題について言及している。二次被害の問題を認識しながらも、差別的言動をする議員に対して口頭注意で終わらせているのは、なぜなのだろうか。本気で性暴力の被害者を守り性加害の防止に取り組んでいるのか、疑問でならない。

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