TWICEニューアルバムから伝わってくるメンバーたちの思い プレッシャーとの苦闘を歌にして

文=まつもとたくお
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 メンバーが作詞した作品も「I CAN’T STOP ME」に引けを取らないものが多い。「DO WHAT WE LIKE」でサナはポジティブに生きることを宣言し、「BRING IT BACK」でのダヒョンも「利己的と言われようとも自分の道を突き進む」と主張するなど、ガールクラッシュ的な視点を意識した歌詞からはアーティストとしての誇りが感じられて頼もしい。

 冒頭で触れた通り、『Eyes wide open』はニュートロ的なサウンドがたくさん詰め込まれており、歌詞の意味がわからなくても十分に楽しめる作品に仕上がっている。個人的にお薦めしたいのは、乾いたラテンリズムが心地よい「HELL IN HEAVEN」、華麗なディスコミュージック「UP NO MORE」、アーバンファンクな「BELIEVER」と「HANDLE IT」、BLACKPINK「Kill This Love」に対抗するかのようなマーチングドラムの軽快な音と熱いボーカルで一気に聴かせる「SHOT CLOCK」、グループとしては初となるシティポップに挑戦した「SAY SOMETHING」などだ。聴きどころの多さでは歴代のアルバム中トップだろう。

 TWICEは『Eyes wide open』で周囲の予想以上に成長した姿をアピールすることに成功した。彼女たちにとっても本作が大きなターニングポイントになると思う。次回はまた違ったスタイルを提示するのか、それとも現在のサウンドメイクをさらに熟成させていくのか。いずれにしてもグループはまだまだ伸びしろがあり、それゆえに今後も多くのファンを楽しませてくれることだけは断言できそうだ。

(まつもとたくお)

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