
GettyImagesより
以前、生理や不妊治療など、女性の体にまつわる取材をしていたことがあります。妊娠の仕組みや不妊の原因、PMSや生理痛の緩和方法などを医師に取材する中で、「私って自分の体について無知だったのだな」と思い知りました。
私は昔からPSMと生理痛が重めのタイプで、経血の量も多かったため、「生理はつらくて当たり前」という認識がありました。生理痛がキツイときは、痛み止めを飲んでいましたが、それも、「もう耐えられない」ところまで耐えてから飲んでいたのです。毎月のことだし、毎回薬を飲んでいたら効かなくなってしまうと思い込んでいました。
しかし、取材を良い機会と思って相談してみると、医師も薬剤師も、「薬が効かなくなるということはない。つらいなら毎回飲んでOK」だと言うではありませんか(強い痛みが続く場合は、子宮内膜症などの可能性もあるため、病院を受診するのがベター)。
同時に、「低容量ピルを飲むことで痛みを緩和できる可能性がある」こと、「太る・妊娠しにくくなるといった副作用はない。むしろ将来妊娠を希望するならばピルを飲んでおいたほうがいい(ピルで排卵が止まり、卵巣を休めることができるため)」ことも知りました。
それまで私は、生理前や生理中の不調や不快は仕方ないものだと認識していましたが、取材を通して、「自分である程度はコントロールできるものだ」という認識に変わっていきました。
月経カップが体内で行方不明に…
私の生理の悩みのひとつに、「経血の量が多い」というものがありました。夜用ナプキンとタンポンを併用しているにも関わらず、朝起きたら、シーツが血の海状態になっていたことも1度や2度ではありません。忙しい朝に血の海を見たときの気の重さは半端ではありませんでした。「大人なのに、なぜこんな失敗をしてしまうのか」という気持ちもあったし、シーツの汚れが取れなくて買い換えなくてはならくなったときには、自分に対するイラつきがおさまりませんでした。
そこで試してみることにしたのが、月経カップです。「血の量が多い人でも安心」という謳い文句と、ナプキンやタンポンを買わなくていいのはエコだし経済的、という点に惹かれました。
ただ、購入してから二カ月ほどは使用していませんでした。買いだめしていたナプキンが残っていたというのもあるのですが、なんとなく新しいものを試すのが億劫というか怖い感じがしたからです。
試してみる気になったのは、買いだめのナプキンが底をついたときです。しかし実際に装着して、就寝し、翌朝トイレで取り出そうとしてみると……月経カップが行方不明になっていました! 驚いて、布団をバサバサしたり、鏡を取り出して膣の中を見ようとしてみたりしたのですが、見つからず……指を奥まで突っ込んで、月経カップのステムの部分をやっと見つけたものの、どう頑張っても取り出すことができませんでした。
その時点で1時間くらい格闘していたと思います。手は血だらけでしたし、月経カップを使用したことを激しく後悔していました。私は諦めて、Googleで「月経カップ 病院」とググりました。すると、月経カップが取り出せずに病院に行った人の体験談が出てきました。「やっぱり同じような人がいるんだ。あと少し頑張って、無理だったら病院に行こう」と決意し、それから30分後に自力で取り出すことができました。
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