次世代の男性を「ATM的役割から解放し、人間に戻す」ためにできること

文=原宿なつき
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 家庭における無意識のバイアスの大きな問題として、「娘と比較して、息子には家事をやらせない傾向」があります。これをまず親が強く意識すること、そして「娘さんが将来、やりたい仕事を続けられる、という自信」を持てるようにするには、娘がいる父親自身が「家事や育児をお手伝いというレベルではなく、これはパパの仕事、と娘さんが認識するくらい責任を持って取り組むこと」が重要だといいます。

 現在、共働きであっても、女性は男性よりも家事・育児負担を多く担っています。 (※1)その一因は、専業主婦家庭に育ち、夫の分の家事もする母親を見て育った結果、「妻の役割」が自然と刷り込まれていることにあるのではないでしょうか。結婚したら夫の分の家事も自分がするものだと当たり前のように思い込んでいる女性は、「だから結婚後は今の仕事を続けられない」と考え、離職して専業主婦になるか時間の融通のきく非正規職に就くことを意識すると思います。でもそれは、男性に対する大黒柱プレッシャーの強化にもつながるのです。

 親が息子のために良かれと思って、「男の子だから」と家事をさせずに勉強だけさせて(つまり、稼ぐことだけ期待して)育てた結果、大事に育てた息子自身が大黒柱プレッシャーに苦しむなんて悲しすぎますが、実際には珍しくないことです。

 「将来苦労しないように」と稼げる方面への教育投資をしたくなるのは親心だと思います。しかし、そのことが逆に「稼げなければ、価値なし」「稼げていれば、他のことはすべて免除される」というメッセージになってしまっている側面はないでしょうか。男性の価値、そして人間の価値はそんなことで決まらないのだというメッセージこそ、本当は必要かもしれません。

※1男女共同参画白書 令和2年7月:女性の家事時間は男性の2.6〜2.8倍

(原宿なつき)

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