片手で使えるテープカッター「プッシュカット」

文=他故壁氏
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 ご家庭や職場などで、今いちばん使っている粘着テープってなんですか。セロハンテープですか。両面テープですか。それともマスキングテープですか。

 ちょっとした修繕やポスターの掲示、また模型の塗装などにそういったテープ類は便利ですけど、連続した作業の際に困ったことってありませんか。

 例えば、壁にポスターを貼る作業。テープのりでは粘着力が足りませんから、剥離紙が表面についたタイプの両面テープを使いますよね。四隅を貼るとしても、可能であれば同じ長さのテープを事前に貼っておきたいところです。両面テープの多くはカッターつきの紙箱に入っていて、そこから必要な長さを引き出して切ります。剥離紙には長さのガイドとして目盛りが入っていますが、長さを揃えて切るのは難しいものです。また切るためには両手が必要ですし、テープを引き出しすぎてしまって慌てて戻すことも……。

 例えば、模型作成の際にマスキングを行う作業。細かな塗り分けが必要ですから、マスキングテープを細めに切りたい、でも塗装作業中ですから両手を離してはさみやカッターでいちいちテープを切るような作業は極力避けたい。細く切ったマスキングテープをどこかに貼っておく手もありますが、すぐにゴミや埃がついてしまって作業が滞る……。

 テープを同じ長さに切りそろえて掲示物や工作物などにどんどん貼っていく作業を行う際、ニチバンの「プッシュカット」は必ずやあなたの強い味方になるでしょう。

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 本製品はトリガー(引き金)のついたテープカッターです。赤いボディの製品には剥離紙つきの両面テープ「ナイスタック」15ミリ幅が、緑のボディのものには青いマスキングテープ15ミリ幅が装填されています。両面テープは市販されているナイスタックシリーズと同じで安心感があります。マスキングテープは熱に強い車塗装用の高品質なもので、模型だけでなく内装工事などでも問題なく使用できます。

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 トリガーはテープの引き出しに使用します。本体を握り、トリガーを1回引くと、内部からテープが約12ミリ顔を出します。必要な回数だけトリガーを引き、親指で本体上部のボタンを押してください。触れることのできない刃物が連動して本体内部で下がり、テープを切り離します。引っ張り出してテープを切る作業が、片手で楽々に行えます。

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 また、もっと長い距離のテープが必要な場合は、トリガーによる連続繰り出しではなく、手で引っ張り出すこともできます。一回トリガーを引いて、先端を出したらお好きな長さにテープを引っ張り出してカットしてください。

 断裁面はまっすぐで綺麗です。両面テープではあまり感じることができないかもしれませんが、マスキングテープではこのまっすぐの断裁面は嬉しいですね。なにかを仮留めする際にも見栄えがいいですし、もちろん塗装の際にははっきりとしたラインで塗り分けが可能になります。

 プッシュカット本体は立てて収納ができます。立たせることによって収納スペースを減らすことができ、さっと取り出して作業することにも貢献しています。立つ文房具こそが便利な文房具だと提唱しているわたしにとっても嬉しい設計です。

 ケースがほぼ密閉状態なので、テープ本体に埃や汚れがつかないのも大きなメリットです。

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 販売される製品はカラーで機能が分かれていますが、本体性能はまったく同じですので、赤い両面テープ用をお買い求めになった場合でも、ご自分で中味をマスキングテープに入れ替えて使っても差し支えありません。

 替えテープが用意されているのも嬉しいですよね。取り替えは本体の透明パーツを外し、テープを取り出すだけの簡単設計です。

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 ただ、ひとつだけ注意点があります。テープを新しくセットする際、テープをたるませてください。内蔵されているリールパーツにテープを沿わせるようにしないと、セット後に空回りしてしまいます。

 内部構造の関係で15ミリ幅のテープしか収納できませんが、大きささえ合えば他社のマスキングテープも収納可能です。ただし、テープの繰り出し機構がニチバンの両面テープおよびマスキングテープ用に調整されていますので、すべてのテープがこのプッシュカットで使用できるわけではありません。わたしが試した中では、同じニチバンでもセロテープは対応していませんでした。いずれにしましても、お試しになる方は自己責任でお願い致します。

 本体下部にはセーフティコード用の穴があいており、作業中の持ち運びの際に落下防止策を採ることができるようになっています。ただし落下の衝撃には弱く、蓋が外れてしまったり、最悪の場合内部機構が損傷する可能性がありますのでご注意ください。

 貼付作業を多く行う現場や教育機関、クラフトや模型などの趣味の方にも、ぜひ一度お試しいただきたい逸品です。

(他故壁氏)

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