伝統のブランド・モンブランが最先端デザインを取り入れた「Mコレクション」の秘密に迫る

文=出雲義和
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 万年筆ユーザーの夢と言われるマイスターシュテュックをはじめ、モンブランには多くのラインナップ(モンブランではコレクションと呼んでいます)が存在します。そんな中で2015年に加わった新しいMコレクションは、過去のモンブランコレクションとはいささか異なるシルエットと斬新なデザインでモンブランファンを驚かせました。

 きょうはモンブランコレクションからニューフェイス「Mコレクション」の紹介です。

まったく新しいデザインに筆記具

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はじめてのデザイン

 Mコレクションのもっとも特徴的なのは、この独特なデザインにあります。モンブランぽっくないとも言われるデザインを担当したのはApple社のプロダクトデザインなどを手がけたデザイナーのマーク・ニューソンです。これまで、モンブランが著名なデザイナーと一緒にプロダクトを共有することがなかっただけに、新しいモンブランMコレクション(以下Mコレクションと表記)にかける意気込みは並々ならないものを感じます。

 また、モンブランにとっては初めての試みに溢れたモデルで、既存の万年筆のユーザーだけなく、若い世代に向けたプロダクトであることに加え、マーク・ニューソンがデザインを手がけたとあって、発表された当時には筆記具ファンだけでなく、多くの業界関係者からも注目を集めたのがこのMコレクションです。

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ストレートでありながら緩やかな流線形を描くボディ

 シュッとしていながら緩やかな流線形を描くボディラインのシルエットは、これまでモンブランを代表するマイスターシュテュックなどの軸中央に配したリングが膨らみを持つ古典的なデザインを敬遠してした人を「うっ」と唸らせる、流線型や円形を得意とするマーク・ニューソンらしい、斬新的でモダンなデザインといえます。

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大胆な切り込みの入った尻軸は注目の的

 モンブランブランドの象徴であるスターマークは標高4808mのモンブラン山の山頂を冠する雪をイメージしたもので、天冠の白い印を見ればひと目でモンブランとわかる世界的なシンボルです。Mコレクションでは天冠だけではなく流線型のボディにプラトーPlateau(平な)を切り込み設けて、そこにもスターマークを刻みこみました。モンブランに限らず、多くの筆記具と比べても、これほど大胆なデザインの登場は衝撃的でした。このマークがあると、筆記をしている際にも「いま、モンブランを使って書いている」ことを意識して、テンションの高まりを覚えます。

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キャップが軸に吸い寄せられる!? 不思議な機構

 Mコレクションのキャップはネジ式ではなく、カチッとはめ込むタイプを採用しています。

 キャップと軸の付け部分にマグネットが組み込まれて、キャップをかぶせると自然に軸に吸い寄せられる仕組みは、スナップメカニズムと呼ばれるマグネットを応用した技術で、クリップとスターマークが常に一直線並ぶ仕様は、デザインと設計が統一された機能美と言えます。

Mコレクションのラインナップ

 モンブランブランドの筆記具は万年筆、ボールペンと並んでローラーボールのラインナップが揃います。
伝統のブランド・モンブランが最先端デザインを取り入れた「Mコレクション」の秘密に迫るの画像6・万年筆

 記念すべきMコレクションのペン先にはMN(マーク・ニューソン)のイニシャルが刻まれて発売されました。すでに現在のロットにはこの刻印はありませんが、もし店頭で見るけることができればラッキーです。デザインは斬新ですが、インク交換のシステムはオーソドックスなカートリッジ式を採用しており、万年筆がはじめての若いユーザーにもシンプルな使い心地を提供します。

伝統のブランド・モンブランが最先端デザインを取り入れた「Mコレクション」の秘密に迫るの画像7・ボールペン

 若い世代に向けたMコレクションは、他のボールペンと比較しても圧倒的な存在感が際立ちますが、気を衒ったデザインではないので普段使いにも最適です、このボールペンは現在第2世代に進化していて、後部プラトーにマグネットが搭載されて尻軸にキャップを被せた時にすっと吸い付くような一体感が得られます。

伝統のブランド・モンブランが最先端デザインを取り入れた「Mコレクション」の秘密に迫るの画像8・ローラーボール

 日本ではあまり馴染みがないかも知れませんが、海内ではこのMコレクションのように高級筆記具のラインナップによく登場します。油性ボールペンと比較して滑らからかな書き心地が特徴で、日本ではゲル(ジェル)インクや水性ボールペンを愛用する人にはオススメのタイプです。

 また、現在のラインナップから姿を消してしまったMコレクション「アートファインライナー」モデルのリフィルがローラーボールとの互換性があり、別売のリフィルを使えば、1本で2役になってくれる点はお買い得なローラーボールと言えます。

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 ファインライナーはサインペンのような書き心地のペン先になります。

こんな人にオススメしたい

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 映画が大好きで、英国人俳優のベネディクト・カンバーバッチの大ファンという方ならこのペンを見たことがあるかも知れません。

 高慢な天才外科医から世紀の魔法使いに転身した『ドクター・ストレンジ』の中で、彼が使っていたペンがこのマーク・ニューソンモデルでした。

 このペンを映画の1シーンで使用することで、主人公の社会的なポジションを表現しながらセンスやデザインに対する鋭い感性の持ち主だと言わしめる存在になっています。劇中わずかなカットでしたが、主人公を表現することにひと役担っています。

 筆記具としては高額な部類に入るMコレクションですが、どんなシーンでも胸を張って使える1本を求める人におすすめしたい筆記具です。

 なによりも、ベネディクトカンバーバッチ気分を楽しめるなら、安い1本かもしれません。

モンブランMコレクション
万年筆
ペン先 F(細字)M(中字)/14金/カートリッジ式
¥68000ー(税別)
ボールペン
¥50000ー(税別)
ローラーボール
¥50000ー(税別)

(出雲義和)

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