テレ朝三谷紬アナ、性的同意問題に「女性がリテラシーを高く持てばいいだけの話」

文=雪代すみれ
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被害者は逃げ道を塞がれている

 平成29年度の内閣府の調査では、無理やりに性交等された被害経験がある人のうち、加害者が「まったく知らない人」であったのは男女ともに約1割であった。性暴力というと知らない人から突然襲われるようなイメージ(レイプ神話)を持ちがちだが、現実には顔見知りによる犯行が多い。

 また、加害者との関係を見ると、配偶者・元配偶者が23.8%、交際相手・元交際相手が23.8%となっており、「付き合っていれば、性行為をするのは当たり前だ」「同じ相手に、毎回、性行為の同意を取る必要はない」という考えが性暴力なっている恐れがあることがわかる。

 「同意のない性交」の実態は、今年6月に発売された「性暴力被害の実際」(金剛出版)からも学べる。同著では、望まない性交を経験した当事者が語った話から、同意のない性交のプロセス等を分析している。

 同著では同意のない性行に至るプロセスを「奇襲型」「飲酒・薬物使用を伴う型」「性虐待型」「エントラップメント型」の4つに分けている。そして、同著のインタビューで語られた「同意のない性交」はエントラップメント型が最も典型的だったとのこと。

<エントラップとは、罠にはめるという意味があります。これは、精神的・物理的に徐々に逃げ道をふさがれていき、明確な暴力がなくとも逃げられない状況に追い込まれて被害にあうというプロセスの型です。この中には、パートナーによるドメスティックバイオレンスも含まれています>(p37)

 また、エントラップメント型の同意のない性交は、顔見知りではない人からのケースもあるものの、<もともと顔見知りで、加害者が当事者よりも地位が高い場合、すでに力関係の上下があります。加害者は当事者の雇用や評価などの弱みを握っているので、当事者を追い込んでいくエントラップメントのプロセスが、見知らぬ加害者の場合よりも容易に完成します>(p44)と書かれている。こういった専門家の分析から見ても、三谷アナの言う<女性がリテラシーを高く持てばいいだけの話>ではないだろう。

「同意のある性交」のために必要なこと

 書籍「性暴力被害の実際」では「同意のない性交」と「同意のある性交」の違いについても言及している。

<今回の調査に基づいて考えると、「同意のある性交」は、愛情のある関係性で行われる性交といった漠然としたものではなく、性交以外のそれまでのやり取りの中で、拒否を含めて意思を尊重される関係性が築かれた上で行われる性交です>(p51-52)

<つまり「同意のある性交」「同意のない性交」は、性交のその時に同意があるかないかということももちろんですが、それ以前の関係性が重要であるということです>(p52)

 性的同意の話になるとほぼ必ずといっていいほど「後から『同意がなかった』と言われたら」という話が出てくる。今回も番組では出演者から以下のような意見があった。

千原ジュニア氏<その場では「OK」って言ったのに後々「そんなこと私言ってません」ってことも>

TKO木本氏<実際に聞いたこともある そこの男の弱さというものもありますから>

 これに対して山路氏は<それは出会ってどのくらいでした?>と鋭い指摘を入れている。

山路氏<しなきゃいいんですって。僕は出会ってから最低3年かかりますよ、付き合うまでに。相手がどれだけ信頼できるかわからないとね、裸になれない>

 前提として騙す行為はもってのほかだ。しかし人前に出る仕事であるならば、恐らく信頼関係を築けていないような知り合ったばかりの人に、公に明らかになるとまずいようなことは話さないだろう。それと同じで信頼関係を築けていない人と性行為をするのも避けた方が無難ではないか。

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テレ朝三谷紬アナ、性的同意問題に「女性がリテラシーを高く持てばいいだけの話」の画像2 ウェジー 2020.11.15

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