ジョー・バイデン〜アメリカ合衆国第46代大統領としての使命とは

文=堂本かおる
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 11月15日(日)の深夜、トランプは以下のツイートを行った。

「オレは選挙に勝った!(I WON THE ELECTION!)」

 ジョー・バイデン前副大統領の勝利が確実と報じられた7日から、すでに1週間以上が経過していた。例によって全て大文字なのは、トランプが大声で叫んでいることの表れだ。このツイートが為されたわずか数分後に、米国ツイッター社は警告メッセージを貼り付けた。

「複数の公式ソースが選挙の結果を(トランプのツイート内容とは)異なるとしています」

 トランプが投票結果を受け入れる気配は見えず、来年1月20日のバイデンの大統領就任式にトランプは参列しないだろうと予測する識者すらいる。米国の伝統に反する行為だが、トランプに大統領としての正当な言動はもはや期待出来ない。

 翌16日(月)、バイデンは次期大統領として「より良い再建 Build Back Better」と題した記者会見を開いた。記者に「トランプと共和党が政権移行を阻み続けるとどうなるか」と質問された際、バイデンはこう答えた。

「さらに多くの人々が死ぬかもしれません(More people may die.)」

 アメリカは現在、4月、7月の2波を大きく上回るコロナ禍に見舞われている。選挙の翌日からは新規の陽性者数が連日15万人を超え、累計では1,100万人、死者の総数は25万人近くとなっている。

 トランプは、選挙直前は各州を回って大規模な選挙集会を非マスク・過密で行い、選挙後はホワイトハウスにこもってツイートのみを続け、週末はゴルフに勤しんでいる。コロナ対策チームの会議には過去5カ月間、参加していないと報じられた。

 次期大統領の当確発表後の今の時期、本来であれば大統領は次期大統領夫妻をホワイトハウスに招き、政党の違いを超えて穏やかに歓談するのが慣例だが、これは実現しそうにない。そもそも次期大統領は当選直後から機密情報を含むブリーフィングを受け、来年の就任に備えるが、トランプはバイデンへのブリーフィングを行わせず、コロナ対策チームを率いるファウチ博士とのコンタクトも封じている。

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