「嫌いボタン」がTwitterを地獄にする可能性 リプライより気軽な攻撃に

文=雪代すみれ
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「嫌いボタン」はリプライより気軽な攻撃手段になり得る

 筆者は“嫌い”ボタンの導入には反対だ。まず、デマやフェイクニュースの見極めの効果がないという点では西村氏に同意である。現時点で、事実を投稿していても「デマだ」「嘘つくな」などと攻撃されるケースもある。“嫌い”ボタンが導入されれば混乱と分断がより深まるのではないか。

 また「嫌いボタン」を押す人をブロックできるとのことだが、執拗に「嫌い」ボタンを押す人をブロックしたら、された側が「“嫌い”を押したらブロックされたww」などと煽り、それを見て面白がった他のユーザーが“嫌い”を押し、同じことが繰り返される……というケースもあり得る。

 田村淳氏は「嫌いボタン」が導入されたらコメントでの攻撃が減るかもしれないと述べていたが、むしろ今までリプでの攻撃には踏み出せなかった人にとって、ワンタップで気軽に攻撃できる方法とならないか心配である。

 田村淳氏の言うとおり、YouTubeにはgoodとbadボタンがあるが、登録者数が多いチャンネルには、動画が公開されてすぐにbadが複数ついていることがある。おそらく動画を見ずにbadを押すだけのアンチがいるのだろう。Twitterでも投稿内容にかかわらず、投稿者が嫌いなためにひたすら「嫌い」を押す人は現れるだろう。

 加えて、現時点でも日本版Twitterには、投稿が事実であろうとなかろうと「みんながリツイートやいいねをしているから正しい」といった空気が漂っている。「嫌いボタン」は「みんなが“嫌い”を押してるから攻撃してもいい」と私刑の助長になる恐れもあるのではないか。

 もし「嫌いボタン」を導入するとしても、個人が傷つけられないよう、細かい部分まで配慮された設計にしなければ、Twitterは地獄と化すだろう。

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