面会ボランティア「牛久入管収容所問題を考える会」のメンバーたちは、「壁に排泄物を塗りたくった被収容者は他にもいたけど、彼らはすぐ精神科の病院に入院させられ、現在は解放されている。なぜヤドラさんだけ?」と口をそろえる。
この疑問に総務課は、「その時は警察が動かなかった。ヤドラさんの時はたまたま動いてくれただけ」と回答している。
ヤドラさんに対して当初は44万円の請求額を出していた入管だが、後になり天井も汚れていたからとさらに15万円前後の上乗せを考えているという。今後、ソファーなどの器物破損の罪が出てくる可能性もある。ヤドラさんの弁護士はそれらの内訳開示を要求したが、入管側は「行政文書だから、行政文書開示請求の手続きをしないと出さない」と回答している。
4年以上も収容され続けていたヤドラさんに、とてもそんな金額を払えるわけがない。入管はどうしても彼を有罪に持っていきたいのだろうか。しかし内訳を速やかに出そうとしないのであれば、その請求に正当性を感じることは難しい。
支援者の間では、送還忌避罪を推し進めるにあたって、ヤドラさんを見せしめにしようとしているのではないかと噂されている。12月になると彼は起訴されてしまうかもしれない。彼が自由になれる日はいったいいつなのだろうか。
(織田朝日)