
GettyImagesより
独立行政法人国立科学博物館が、南西諸島(鹿児島県〜沖縄県)で発見されたルリゴキブリ属の2新種の遺伝情報を明らかにしました。日本でゴキブリの新種が発表されるのは35年ぶりで、これで日本産ゴキブリは合計59種となりました。
今回研究に着手したのは、法政大学・島野智之教授、竜洋昆虫自然観察公園・柳澤静磨職員、鹿児島大学・坂巻祥孝准教授らからなるチームで、彼らの論文「南西諸島からのルリゴキブリ属のゴキブリ新種2種」は、日本動物学会発行の国際誌「ZOOLOGICAL SCIENCE」で記載、発表されています。
多くの人が忌み嫌い、怯えている「ゴキブリ」。しかし実は日本産ゴキブリのうち、人家に出現するのは1割程度で、ほかのゴキブリは森林の朽ち木や洞窟を生息場とし、有機物を餌にしているため、人間の生活とは関わりがないそうです。
新たに発見されたルリゴキブリ属のゴキブリも、森林の朽ち木など腐植質を食べながら生活。青色の金属光沢、橙色の紋など、「美麗種」のゴキブリだといいます。

アカボシルリゴキブリ オス(左) ウスオビルリゴキブリ オス(右)
国立科学博物館では、今回発見されたルリゴキブリ属のゴキブリ新種2種や、そのほかの日本産ルリゴキブリ属の標本、DNA試料を保管しています。
▼発表雑誌
「ZOOLOGICAL SCIENCE」
論文タイトル:南西諸島からのルリゴキブリ属のゴキブリ新種2種
著者:竜洋昆虫自然観察公園・柳澤静磨職員、国立科学博物館・蛭田眞平博士、台湾大学・Jhih-Rong Liao教授、鹿児島大学・坂巻祥孝准教授、法政大学・島野智之教授)
2020年11月24日(日本時間25日)、オンラインにて公開