IKEA渋谷、開店初日レポート! 7階建てビルの都市型IKEAに感じた“物足りなさ”とは?

文=A4studio
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 ここで、なぜ駆け足で紹介したか、理由を説明しておこう。それは従来のIKEAと比べて特筆すべき点がさほどなかったためである。

 都市型店舗として先行オープンしていたIKEA原宿にはなかったスマートホーム家電の体験コーナーや、子ども用家具やおもちゃコーナーなどがIKEA渋谷にはあったが、これらは従来の郊外型店舗ではお馴染み。

 また、ブルーのレジャーシートなどに用いられる素材を使ったバッグは、IKEAのアイコンのようにもなっているが、その同素材の帽子「クルノヴァ」(税込299円)がIKEA渋谷限定商品として販売されている。……が、これは普段使いするにはダサすぎる。

面積が狭く巨大カートもなく、アミューズメント性が薄い

 1階から6階までの全フロアを見て回った感想としては、“アミューズメント性が薄い”というのが率直な意見だ。

 その原因は店舗面積の狭さと巨大カートがないことだろう。

 7階建てビルの店舗ということで面積は充分広いように感じるかもしれないが、IKEA渋谷の1階から7階までの総面積は約4800㎡。

 一方、同じ東京でも郊外にあるIKEA立川の総面積は約40000㎡と広大だ。郊外型店舗はIKEA立川と同程度の規模感の店舗がほとんどなのだが、IKEA渋谷はIKEA立川の約8分の1程度の広さしかないことになる。そのため、巨大カートも導入できなかったのだろう。

 郊外型IKEAでは、広大なフロアの中のグネグネと曲がりくねったメイン通路を、巨大なカートを押しながら家族・恋人・友達らと「安い!」「おしゃれ!」とああだこうだと語らい合い、目に留まったアイテムをどんどんカートに入れていく……。そしてレジで会計をする前にレストランで休憩し、食事をしながらまた会話を楽しむ……。

 従来の郊外型IKEAには、店舗自体がテーマパークのようなワクワク感があり、行くだけで楽しいというアミューズメント性に満ち溢れているのである。

 もちろんIKEA渋谷も家族・恋人・友達と行けば楽しめるだろうし会話も弾むだろうが、あの広大なフロアでカートを押しながら歩くということに、“楽しさ”があったように感じるのだ。

 ちなみに渋谷IKEAでは各階を結ぶエスカレーターは、登りと下りが同じ側にあるため、エスカレーターでは次々と上階に上がっていくことができず、各フロアを歩いて反対側の登りエスカレーターまで向かう必要がある。目的の階に一気に行くときはエレベーターを使用すればいいのだが、このエスカレーターの構造を採用した理由はおそらく、郊外型の“広大なフロアの中のグネグネと曲がりくねったメイン通路”の感覚を再現するためだろう。だがしかし、いかんせんワクワク感は薄い。

 くしくも巨大カートなしの都市型店舗を体験したことで、“巨大カートを押して歩く”という行為がいかに楽しく、巨大カートがいかに重要なツールだったかを思い知らされた気分だ。

 来春に7階のレストランフロアがオープンすれば、アミューズメント感は増すだろうが、今のところ巨大カートもなければレストランもない渋谷IKEAに、従来の郊外型店舗にあった“IKEA感”はさほど抱かなかった。

都心のど真ん中でIKEA商品が買える…存在価値は大きい

 6階まで見終わったため、1階のベジドッグ専門店「スウェーデン ビストロ」に戻る。

 こちらでは肉を使っていないというベジドッグが、税込80円というリーズナブルな価格で味わえる。ベジドッグとは、ホットドッグの肉の部分をケール、レンズ豆、キヌア、タマネギ、小麦プロタインなどの植物性食材で代替したものだ。

 筆者は「ラップランド サーモンベジドッグ」にドリンクとポテトチップスが付いたセット(税込600円)を購入。もちろん肉を使ったホットドッグとは別物の食べ物であるが、満足感のあるボリューミーな逸品だった。イートインができずテイクアウトのみだったのは残念だったが、良コスパのメニューだと感じた。

IKEA渋谷、開店初日レポート! 7階建てビルの都市型IKEAに感じた物足りなさとは?の画像1

「スウェーデン ビストロ」のメニュー表

IKEA渋谷、開店初日レポート! 7階建てビルの都市型IKEAに感じた物足りなさとは?の画像2

「ラップランド サーモンベジドッグ」セット(税込600円)

 ――最後に誤解なきようにお伝えしておくと、大前提としてIKEA渋谷は素晴らしい店舗である。

 JR渋谷駅から徒歩5分という好立地で、IKEA商品が購入できるという点だけで、充分に存在意義も存在価値もある。

 約9500品目も扱うIKEA立川などに比べると、IKEA渋谷は約3100品目と3分の1程度の商品点数ではあるが、IKEAの定番商品や人気商品は一通り揃っているため、これまで郊外のIKEAに足を運びにくかった人たちにとって、大変ありがたい存在となるだろう。

 要するに郊外型IKEAよりアミューズメント性は低いものの、そのぶん、飛び抜けた利便性があるのが都市型IKEAの最新店舗、渋谷IKEAということである。

 郊外型のような広大なフロアではないし、巨大カートもないが、来春に7階のレストランフロアが完成すれば、現在筆者が感じている“アミューズメント性の薄さ”は、いくぶん解消されるはず。今後のアップデートにも期待したい。

(文=昌谷大介/A4studio)

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