かねてから取り沙汰されている、KinKi Kids解散説。12月6日には日刊大衆が「ジャニー氏の姉のメリー喜多川名誉会長が“キンキも来年終わる”とごく近い芸能界の関係者に語った、という話が聞こえてきている」と業界内でまことしやかに囁かれていることを掲載した。
同記事ではKinKi Kids両名が解散を否定していることも記しつつ、今年6月に思い入れの深い42枚目のシングル「KANZAI BOYA」(作詞、作曲:堂本剛)をリリースしたことで区切りがつき、「剛の中でジャニーズ事務所内でやるべきことはすべてやりつくしたのではないか、ともささやかれている」とした。
KinKi Kidsは12月23日に、通算16枚目のオリジナルアルバム『O album』を発売予定だ。ともすれば、これが最後のアルバムとなってしまうのだろうか。だが、彼らがパートナーとして培ってきた信頼関係は厚く、また2019年7月に亡くなったジャニー喜多川氏への思いも強い。「音楽と人」2021年1月号では、ビジネスライクな関係に過ぎないと言われ不仲をささやかれることもあった二人の、意外な関係が明かされている。
「音楽と人」2021年1月号でのインタビューで堂本剛は、<ジャニーさんが亡くなった時に光一は珍しく感情的になっていた><彼の中でその現実を受け止める術が今はないんだなと思ったんですね>と証言。ジャニー氏の逝去により精神的に不安定になったのは自分よりもむしろ光一の方だったと意外な事実を明かした。
前述のシングル「KANZAI BOYA」は、ジャニー氏との笑えるやり取りを歌詞にした楽曲だ。KANZAI BOYAとはKinKi Kidsと名づけられる前のふたりのユニット名。ジャニー氏からこのユニット名を提示されて眉をしかめた思い出を歌詞にした楽曲である。曲中には<いまじゃもう魂となりました 誰にも名前つけられず暇よ もう信じらんないよ>とジャニー氏の死を笑いのネタにするような表現もあるが、故人と親子のように親密な関係だった剛だからこそ書くことが許される歌詞である。
音楽番組でこの曲をパフォーマンスするときは光一がジャニー氏愛用のサングラスとキャップをかぶってジャニー氏のモノマネをするのが定番。7月放送『音楽の日』(TBS系)ではパフォーマンスを見た司会の中居正広も大爆笑。<おかしいでしょ。なんで剛とジャニーさんが歌ってんの>とツッコミを入れる一幕もあった。
このパフォーマンスを考え、光一に提案したのは剛だという。その理由を剛はこのように説明していた。
<光一にとってはありがた迷惑かなと思いつつ、ここでジャニーさんに扮してもらって悪ふざけをしたことによって、彼がゆっくりゆっくりその事実を受け止められるかなって思ったりして>
<みんながみんなそうではないと思うねんけど、関西の人たちって、本当に悲しい時に笑いに変えることで乗り越えていく性分があると思っていて>
堂本剛も精神的な不調をファンから心配されていた
堂本剛は生前からしばしばジャニー氏とのエピソードを公の場で話しており、ジャニー氏を「さん」付けではなく「ジャニー」と呼び捨てにする数少ないタレントだった。
剛はジャニー氏への愛情や感謝も他の所属タレント以上に強い。ジャニー氏が亡くなった3カ月に上演されたA.B.C-Z主演舞台「ABC座 ジャニーズ伝説2019」にジャニー氏を思って書いた楽曲「You…」を提供するなど、ジャニー氏逝去を受けての活動もある。
それだけに剛の精神状態を心配する声は多かった。1周忌が近づいてきた今年の5月から6月にかけては、冠ラジオ番組『堂本剛とFashion & Music Book』(bayfm)でリスナーからのメールを読み上げながら涙する場面が何回もあったためだ。
剛は過呼吸やパニック障害を患っていると告白した過去があることから、ジャニー氏がいなくなってしまった喪失感で再び精神的なバランスを崩してしまうのではないかとファンは心配したのである。
Kinki Kids堂本剛のメンタルに心配の声 ジャニー喜多川氏の死から1年
7月9日でジャニー喜多川氏が亡くなってから1年が経つ。この1年、ジャニーズ事務所のアイドルたちが大勢、ジャニー氏への感謝を述べているが、とりわけ深い思…
しかし、ジャニー氏の逝去で精神のバランスを崩したのは、剛よりも光一の方だったという証言は驚きだ。
前掲『音楽と人』で光一は、アルバム製作やドームツアーなどここ最近のKinKi Kidsの活動を<亡くなったジャニーさんへの思い、みたいなものが大きなテーマとしてありましたから。それがうまく表現できたんじゃないですかね>と振り返っている。「笑い」の力で精神的な危機を救ってくれた剛に光一は感謝しているのかもしれない。
ジャニー氏が亡くなった今、彼らがKinKi Kidsとしての未来のビジョンをどのように描いているのかはわからない。ただ、解散して別々の道を歩むとなるならそれは、彼らが「KinKi Kidsとしてすべきことをやり切った」と判断したときだろう。もしその日が来るとしても、ジャニー氏は穏やかに微笑むのではないだろうか。