花江夏樹や松岡禎丞、「声優が表に出るということ」の葛藤語る。『鬼滅の刃』大ヒットで悩み

文=wezzy編集部
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©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 いよいよ興行収入が288億円に達した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。日本映画史に残る大ヒットをきっかけに、主人公・竈門炭治郎を演じた花江夏樹をはじめ、『鬼滅の刃』に出演した声優たちは、アニメ専門メディア以外の媒体への出演が激増している。

 この状況を声優たちはどう捉えているのか。12月6日放送『ボクらの時代』(フジテレビ系)には前週に引き続き、花江夏樹、我妻善逸を演じた下野紘、嘴平伊之助を演じた松岡禎丞、竈門禰豆子を演じた鬼頭明里の4人が出演し、「声優のメディア出演」に対する赤裸々な思いを語っていた。

 花江は<いまでこそ『鬼滅』の人とか『鬼滅』の声優とか言われることも多いですけど、僕はそれでいいと思ってて、そこから入ったうえで、より知ってもらって、別の作品を知ってもらうのが一番いいと思う>と、『鬼滅の刃』で注目度が跳ね上がった状況を肯定的に捉えていると話すが、同時に複雑な思いもあるようだ。

 花江は自分がメディアに出ることにより、過去に自分が出演した作品にも脚光が当たり、そうした作品を振り返って見てくれるファンが現れることに意義を見出す一方、こうも話している。

<僕もオタクな部分があるので、ちょっと嫌だなって思っちゃうところがあるんですよ。できれば(声優はメディアに)出てほしくないなって>

 花江としては、声優はあくまで作品ありき、キャラクターありきの存在であり、黒子に徹するべきという考えが拭えないようだ。

 松岡禎丞は、花江以上に顔を出して活動することに否定的なスタンスであるという。松岡は<声の表現っていうところに重きを置きたい>と、声優としての姿勢を説明しつつ、<正直な話、僕は表に出たくない人間なんです。イベントにも出たくない。イベントの舞台袖でずっとハイエナのようにうろうろしていますから。『あぁ……、出たくない。やべえ、口から胃が出そう』って>と冗談まじりに話していた。

歌手活動も行う下野紘の意見は?

 メディア出演に積極的な声優でも、あくまで自分の本質は声を使った演技や表現にあり、自分の活動を支えてくれているファンは、作品やキャラクターを支持しているということを忘れてはならないという矜持があるようだ。

 下野は2001年に声優デビューし、『進撃の巨人』のコニー・スプリンガー役などメジャー作品のメインキャストとして名を連ねることの多いトップ声優のひとりだが、近年は歌手活動を行うなど声優以外のジャンルにも活動の幅を広げている。

 そうした活動がファンから支持されているのは、あくまで本業は“声優”であるということを忘れていないことが伝わっているからだろう、と下野は分析している。

<たとえば、俺が本格的に、他のキャラクターうんぬんかんぬんとか関係なく『下野紘っていうのをもっと前面的に出して行きたいぜ』って思ったら、たぶんファンのみんなは『そこじゃないよ、下野さん……』って言って離れて行くと思う>

 近年はμ’sやAqoursのメンバーをはじめ、アイドル活動をする声優もまったく珍しくなくなった。それでも声優業は「ファンは自分のどこを支持しているか」という自己分析を間違ってしまうと失敗しかねないという、なかなか難しいさじ加減が必要なようだ。

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