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日本政府は「AIを利用した婚活」を、少子化対策として支援していく方針を明らかにした。2019年に行なわれたリクルートの調査では、20〜40代の恋人がいない割合は約7割、また20代男性の約4割に交際経験がないという。自分が求めている価値観と相手の価値観の一致率が高ければ相性もいいはずだとして、そこをAIによって見極めてもらおう、という取り組みだ。
新しいスタイルの「AI婚活」について、12月9日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)でも議論。番組が実際にAI婚活で結婚した夫婦に取材をしたところ、自分の価値観と大きく外れる人を紹介される確率が低いため、効率がいいとのことであった。
MCの加藤浩次はAI婚活に肯定的で、<自分のタイプって、自分の思い込みなんじゃないかって思うときがあるの。こういう女性が好きなんだって。もっと広げてみたときに、自分のタイプってほかにもいるんじゃないかって思う時がある。でも自分自身では広げられないじゃない。それをAIによって広げてもらって「俺にこういう側面があるのかな?」みたいな。こういう人のほうが合うし楽しいという発見の場にはなりそうですよね>とコメント。
加藤の意見に、コメンテーターで評論家の宮崎哲弥氏も同意し、単なる出会いの場を増やすだけでなく、意外な相手とのマッチングがAI婚活のおもしろさだと話していた。
AIの導入によって相手とのマッチ度は高くなるのかもしれないが、政府が“少子化対策”として推進することには違和感がある。元フジテレビアナウンサーの近藤サト氏は、少子化対策を考えるなら、結婚後のキャリアアップや育児サポートも必要だと指摘した。
AI婚活によって出会いの場が増えたとしても、「子どもをたくさん産み育てたい」という意志に繋がらない限り、少子化は解消されない。不妊治療の助成金引き上げについても同様のことが言えるが、今いる子どもと親への支援を手厚くし、子どもを育てやすい社会の空気を醸成しなければ、少子化対策としての効果は見込めないのではないだろうか。