星野源氏に“普通”というイメージがついているとすれば、それは2016年放送の大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で演じた津崎平匡という役の影響が大きいようだ。スタジオでも、コメンテーターの髙橋知典弁護士が<(星野源氏は)普通のふりをするのがうまいんだと思うんです。圧倒的イケメンだしすごい才能を持っていらっしゃるけれど、それを優しい雰囲気で柔らかくしているのがすごいなって思います>と述べていた。
ただ津崎平匡はIT企業の優秀なエンジニアで、年収や職業がハイスペックなのだが、新垣結衣氏演じる主人公・森山みくりと丁寧にコミュニケーションをとる役柄を支持する声が大きく、素朴で優しい平匡のような男性が“普通”であればいいという願望も込められているのかもしれない。
「結婚できない女性」への揶揄、まだ続ける?
そもそも「どんな人を結婚対象として理想とするか」は他人がとやかく言うことではないし、“婚活女性”と主語が大きいものの、これはあくまで番組が取材した恋愛コンサルタントの男性が見聞きした「一部の女性の話」である。
「結婚できない婚活女性」は今までも散々メディアで馬鹿にする対象として取り上げられ、その都度「売れ残りのくせに理想が高い」「これだから結婚できない」など“女叩きネタ”として消費されてきた。案の定、今回もTwitterでは「これだから女は」「鏡で自分の顔を見ろ」など婚活女性を揶揄するツイートが複数見られる。
細かい部分まで見れば理想とする“普通”の定義は一人ひとり異なってくるだろう。例として出された星野源氏にも失礼なこの企画で、番組は視聴者に一体何を伝えたかったのだろうか。
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