セーラー万年筆「万年筆サポートキット」が、面倒な万年筆のお手入れを楽しい時間に変える

文=出雲義和
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 万年筆は使い続けている限りメンテナンスをあまり意識せずに使える筆記具です。

 というと、多少言い過ぎかもしれませんが、インクボトルから万年筆にインクを吸い上げることは、ある意味メンテナンスになることは間違いありません、あくまで同じインクを使うことが前提になるので、異なるインクと入れ替えたい時には洗浄作業は必要になります。

 そんな面倒くさいと感じてしまうお手入れを手軽に行えるツールがひとつになった「万年筆サポートキット」がセーラー万年筆株式会社(以下セーラー万年筆)から、2020年8月に発売になりました。

万年筆サポートキット

 「万年筆サポートキット」は、セーラー万年筆をより快適に使うために必要なお手入れツールを、コンパクトにまとめ、また携帯性にも優れた製品です。

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洗浄器本体

 コスメなどにもよく使われるシリンジですが、万年筆サポートキットでは「洗浄器本体」と呼称しています。インク好きなユーザーにはすっかりお馴染みのツールがコンパクトに収納できて使いやすいサイズになりました。

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それぞれの用途に合わせた2つノズル

 セーラー万年筆に合わせて最適化された2種類の専用ノズルを用意しています。

・大先(ペン先と首軸部分)を洗浄するための「洗浄ノズル」
・ボトルからインクを吸入するための「インク吸入ノズル」

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からっぽ?のカートリッジ

・「空カートリッジ筒」はインクが入っていない、文字通りからっぽのカートリッジです。

 このカートリッジは「インク吸入ノズル」と組み合わせて使うことで万年筆インクボトルから直接移し替えるために使用します。

サポートキットを使った万年筆の洗浄

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 はじめに、洗浄ノズルにある2箇所の突起を洗浄器本体の溝に合わせて取り付けます。

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 万年筆の胴軸から大先を外して、洗浄ノズル+洗浄器本体をさしこみます、インクカートリッジを使用するのと同じ要領なので、万年筆を愛用している人には直感的にもわかりやすい構造です。

 大先は水をはったガラスコップなどに浸してひと晩おいておくと、汚れはさらに落ちやすくなります。また、しばらく使っていなかった万年筆の場合は、前日から準備しておくとより効果的です。

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 洗浄ノズル+洗浄器に取り付けた大先をガラスコップの中の水につけて、ゆっくりとピストンを上下させることで大先の中に残っているインクを洗い出します。

 つけ置きしただけでも、一見きれいになったように見えますが、大先の中にインクが残っていることも多いので、この時に洗い流されたインクをみると、より実感することができます。

 ピストンでの洗浄を繰り返して、ガラスコップの中の水がきれいになれば、洗浄ノズルから大先を取り外して柔らかに布で水を拭き取って洗浄作業は完了です。

「空カートリッジ筒」を使ってお好みの万年筆インクを使う

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ファン待望の空っぽカートリッジ

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インクの移し替え

 冒頭でも書いた通り、現在は「万年筆ブーム」と合わせて「万年筆インクブーム」とも呼べる現象が起きています。2007年頃から「ブラック」「ブルーブラック」などの定番と呼ばれるカラー以外に様々なカラーバリエーションのインクが発売されるようになり、実用的な筆記の他に色を楽しむスタイルが広がりました、セーラー万年筆から発売されている「万年筆用ボトルインク インク工房」には100色を超えるラインナップが並びます。

 これらの万年筆インクを利用するためには、コンバーターというオプションを使用する必要がありますが、インクファンの中には使用済みのカートリッジを洗浄して、コスメ用のシリンジなどを使ってインクを移し替えていました。

 本来、カートリッジは使い切りを前提で作られているために、繰り返して使用するための耐久性を考慮した製品ではありませんでしたが、そこそこ使い回しができたため、一部ではこの使い方を定番とするユーザーもいたようです。

 付属の「空カートリッジ筒」は万年筆との接合部分を強化して作られていて、耐久回数は明記されていませんが、コンバーター並みの使用が可能になっています。

「万年筆サポートキット」と同時に発売された新製品

 「万年筆サポートキット」と合わせて、万年筆ライフがさらに楽しくなるオプション2点が同時に発売されました。

・万年筆用カートリッジケース

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お気に入りインクはいつも一緒に

 「万年筆専用カートリッジケース」は、外出時に万年筆と一緒にお気に入りインクカートリッジを3本持ち歩ける、携帯性に優れたセーラー万年筆用のインクカートリッジケースです。

 これまで、どうしてこんな製品がなかったのか不思議な気がしますが、満を持しての登場です。

・空カートリッジ筒

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 「万年筆サポートキット」にも付属する「空カートリッジ筒」ですが、1本では物足りないというヘビーな万年筆ユーザーには、たっぷりインクライフを楽しめる6本入りパッケージがオススメです。

 使い終えてカートリッジを洗浄する手間もなく、また耐久性も考慮された空のカートリッジはリーズナブルにインクを楽しめる嬉しい製品です。

まとめ

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万年筆ライフをより楽しく正しく使う

 高級筆記具としての敷居の高さに加えて、使い方が難しいイメージが強い万年筆も実際に触れてみると、付き合いやすい筆記具だと感じてもらえるはずです。

 毎日使えばほとんどメンテナンスを意識せずに使えます。私がはじめて手にした万年筆は2年くらい洗浄しなくても、その間トラブルは1度もありませんでした。

 しかし、革製品などと同じで、長く付き合っていくためにはお手入れは必要になってきます。

 また、現在の万年筆インクブームの中で、いろんなインクを楽しむために洗浄は欠かせない作業ですが、必要なツールがすべてセットになった「万年筆サポートキット」は、万年筆に不慣れな人にとって、これ以上無い心強い味方になってくれます。

 すでに万年筆を長く使っているひとにとっても「万年筆サポートキット」は、あなたの大切な万年筆をベストコンディションに保つことができます、もしお持ちの万年筆がセーラー万年筆なら、このキットはぜひ手元に置いて欲しいアイテムです。

(出雲義和)

「万年筆サポートキット」
価格 ¥1000-(税別)
「万年筆用カートリッジケース」
価格 ¥200ー(税別)
インクカートリッジは別売
「空カートリッジ筒」6本入り
価格 ¥350-(税別)

これらの製品はセーラー万年筆専用で作られています。
他社の万年筆でも使用できるモデルがあるかもしれませんが、100%のスペックは保証されません、その点はご了承ください。

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