こうしたいざこざはK-POPではさらに過熱したものとなっている。韓国の音楽業界では、音楽番組のランキングや、年末の音楽賞などにファンからのオンライン投票が強い影響力をもつからだ。
2017年の大型音楽受賞式『2017 Mnet Asian Music Awards(MAMA)』(Mnet)では、BTSとEXOのファンの間でバトルが勃発している。
きっかけは放送の約1カ月前に主催者側が、ネット上で不正投票が発見されたと明かし、今後も不正投票が続いた場合はIDの永久削除などの措置をとると警告したことである。どういったグループに不正投票が入っていたのかは判然としないが、これによって多くの賞を争っていたBTSとEXOのファンがインターネット上で激しく対立した。
ここ数年ではジャニーズにも似た構造が起きつつある。SixTONESとSnow Manのデビュー対決がそれである。
それまでの2組はダブル主演で舞台を行うなど良好的な関係であったが、2020年1月にジャニーズ初の同時デビューとして“VS”売りをしたことで、その関係性は一変した。CDの売り上げやミュージックビデオの再生回数など双方の仕事の種類や量の差で、ファン同士が敵対視することが圧倒的に増えたのである。
J-POPにおいては、オンライン投票などのファンダムを煽るシステムがK-POPほど浸透しているわけではないが、YouTubeやストリーミングの再生回数は今後ますます重要視されるようになるのは間違いなく、こうしたライバル意識が行き過ぎた振る舞いに発展してしまう可能性は大いにある。
そうした行動が本人たちの評判を間接的に下げ、迷惑をかけることになっていることを忘れてはならない。大好きなアイドルを応援する気持ちが、時にはグループの邪魔になってしまう。それはアーティストにとっても、ファンにとっても、不幸なことであろう。
(momotoxic)
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