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先日Twitterで<ノーメイクで怒られるならメイク手当を出してほしい>というツイートが話題になった。
このツイートを受け、12月15日の『グッとラック!』(TBS系)では「女性のメイクはマナーなのか」を特集。番組が行ったアンケートによると、メイクをマナーだと思っている人は6割で、街頭インタビューでは、「素顔での接客はマナー違反と上司に言われている」「スッピンは社会人として失礼」などマナーだと感じている一方で、「毎日メイクするのは面倒」「経済的な負担は大きい」などの声もあった。
メイクの負担とは具体的にどういったものなのだろうか。番組アシスタントの若林有子アナが、実際に化粧をするのにかかった時間を計測したところ25分で、番組調査でも平均時間は17分。費用負担は人によって差があるものの、月3,000円と答える人や月1~2万円の人もおり、平均では14,000円とのことで決して小さくない金額だ。
なぜ女性にとって「メイクはマナー」とされるのか
スタジオでも議論が交わされ、放送作家の野々村友紀子氏は<文句を言うやったらお金出してほしい。男性と美容代で年間めちゃくちゃ違いますから、給料一緒で文句言われたらたまらんわ><自粛中は楽でした><(メイクをしないと)こっちが悪いかなと思って、私なんか年齢を重ねてきて、人のためにしておいてあげようかなくらいの(感覚)>と、メイクはしなくていいならしたくないとの意見を述べた。
3時のヒロイン・福田麻貴氏は<百貨店(勤務)の方でノーメイクだと怒られるでしょうけれど>と、職業にもよるのではないかと意見。普通の会社勤務でマナーとされることには疑問を示した。同じく3時のヒロイン・ゆめっち氏はメイクが好きだと言い<私は好きでやっている><化粧が嫌いだったらしないと思います>、かなで氏も<自分がいかにかわいくなれるかという感じでやっています>とマナーどうこうではなく、好きでメイクをしているそうだ。
スタジオ女性陣の意見はそれぞれ違ったが、MCの立川志らく氏が<したくない人はしなきゃいいけれども、世の中ではマナーになっているんじゃないの>と投げかけると、メインコメンテーターの田村淳氏は<(メイクは)マナーじゃないと思うんですけれど、キャビンアテンダントさんが急にメイクない人で出迎えられたら何かあったのと思うので>と、化粧をしていることが当たり前の場所があることに言及。
では、なぜ「メイクはマナー」という風潮が強いのか。まず、就職活動において「メイクはマナー」と教えられる影響は否定できないだろう。筆者が就職活動をした約10年前も、大学のキャリアセンターが「就活メイク講座」を開催していた記憶がある。就活で「メイクはマナー」と教えられ、就職してからも「メイクはしなければならないもの」と思い続けるという流れは不思議ではない。
また、番組内で福田氏は<(メイクはマナーと)多分言ってるのは女性なんですよね、男性って女の人がメイクしてるかしてないかあんまわからなくないですか?><女性はすぐスッピンかどうかわかるんですよ>と述べていたが、会社で権限を持つ男性が女性を”職場の華”として扱う風潮はまだ残っており、女性は綺麗にしておくべきという規範がある。
2015年に公開され炎上したショッピングセンター「ルミネ」のCMでは、男性上司が女性部下(ヨシノ)とその後輩で華やかなファッションの女性社員を比較し、「大丈夫だよ、ヨシノとは需要が違うんだから」と笑う場面が描かれ、さらに需要の定義として<求められること。この場合、単なる「仕事仲間」であり「職場の華ではない」という揶揄>との解説までついていた。
Twitter上でも、職場の男性から「なぜ化粧をしてないのかと言われた」という意見が見られ、性別関係なく女性にメイクすることを求める人はいるのだろう。
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