木村花さん誹謗中傷事件の後も変わらなかったTwitter、『バチェロレッテ』出演女性にもバッシング

文=雪代すみれ
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GettyImagesより

 17日、今年5月に急死したプロレスラーの木村花さんにネット上で誹謗中傷を行っていた大阪府の20代男性が、侮辱容疑で書類送検された。容疑者の男性は5月中旬にTwitterで木村さんに向けて<「性格悪いし、生きてる価値あるのかね」「いつ死ぬの?」>など、匿名で複数回にわたり書き込みをしていた。

 木村さんは『テラスハウス』(「TOKYO 2019-2020」Netflix、フジテレビ系)に出演。番組内で木村さんのコスチュームを男性出演者が洗濯機に入れ、言い争いになったことがきっかけで、木村さんはネット上で大量のバッシングを受けていた。亡くなる前には自身のTwitterに、「気持ち悪い」「消えろ」などといった誹謗中傷に傷ついていたという趣旨の文章を投稿していた。

 読売新聞の報道によれば、<配信後の2か月弱で木村さんのツイッターには約1200件が投稿され、このうち誹謗中傷が約300件に上ったことを確認した。大半は削除されていたが、データを復元するなどして摘発対象を絞り込んだ>とのこと。削除したからといって、木村さんを傷つけた事実は変わらないし、誹謗中傷がなかったことにはならない。

 また朝日新聞によると容疑者の男性は、前述した『テラスハウス』での木村さんの態度が許せず、番組内で言い争いをした相手に代わって「復讐」するために、木村さんを攻撃したと供述しているという。

 なお、『テラスハウス』にも視聴者のバッシングが花さんに向くように煽るような演出が見られ、木村さんの母・響子さんがBPO(放送倫理・番組向上機構)に申し立て。9月には審理することが決まった。

Twitterの仕様変化への賛否

 誹謗中傷やデマ拡散の問題により、Twitterのあり方には様々な議論がされている。Twitter社も試行錯誤しており、17日には、アメリカ大統領選挙に合わせて行われていた公式リツイートの仕様を元に戻すと発表した。今年10月からはリツイートボタンを押すとまず引用リツイートの画面が表示されていたが、以前のようにそのままリツイートするか、引用リツイートするか選択するかたちに戻される。

 この仕様変更には「嬉しい」「使いにくかったからよかった」と喜びの声が多く見られる。一方で、11月にTwitter社が公開したレポートによると、引用リツイート画面が表示される仕様の場合、リツイート数が23%減少し、引用リツイートが26%増加、引用リツイートと通常リツイートを合わせると20%減少し、「デマの抑制になった」と見られていることから「使いやすくなったからといって、良いと言い切っていいかはわからない」と慎重な意見もある。

 また、11月には「嫌いボタン」の導入が検討されていることも話題になった。それを取り上げた『グッとラック!』(TBS系)では、「デマやフェイクニュースの見極めに役立つ」「自然災害や大事故など”いいね!”を押しづらいが広めた方がいいニュースを拡散できる」などの賛成と、「ネット上のいじめにつながる」「炎上の火種になりやすい」の反対で意見が割れた。「嫌いボタン」が気軽な攻撃手段になる恐れもあり、導入するならば利用者が傷つけられない仕組みの検討が必要だ。

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木村花さん誹謗中傷事件の後も変わらなかったTwitter、『バチェロレッテ』出演女性にもバッシングの画像2 ウェジー 2020.11.25

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