
GettyImagesより
菅義偉首相の「ステーキ会食」に批判が集まった先週、地方議員も大人数での会食をしたことが明らかになり、国民の怒りを買っている。
18日、愛知県西尾市議会の自民党系会派「市民クラブ」の14人が、同市議会議員が経営する旅館にて宴会を行った。出席した議員によれば忘年会ではなく、議会の定例会終了後の反省会とのこと。検温や消毒、感覚を空けるなどの感染対策は行っていたものの、議員14名の他、コンパニオンを3名呼んでいたという。なお、この宴会には西尾市等を地盤とする青山周平衆議院議員や中村健市長も挨拶に訪れた。
TBSニュースによれば、小林敏秋市議は記者に対して<別に僕たち 皆さん10人くらいで昼飯も食べに行ってる 「議員だから飲んじゃいかん」とかはないんじゃないの>と逆切れしていたが、一転し、22日に「軽率だった」と謝罪会見を行った。なお、中村健市長も22日に<本来であれば、もっと強く中止を要請すべき立場でありましたので、深く反省をしているところであります。お騒がせをしてしまって、本当に申し訳ありません>と謝罪した。
愛知県の大村秀章知事は「市議会議員さんがやっていたことは極めて残念なことだと思う」と話しており、市民からも「信じられない」「市民も我慢している」など抗議の声が出ている。
この問題を取り上げた22日の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)では、「なんで議員の方は集まるんですかね」「これでは(国民の)みなさん従わないですよね」と批判的な論調。
番組では、ある市議は「世間にばれたら大変なことになる」と考えて体調不良を理由に断ったことを紹介。「市民クラブ」市議によると<親睦を深めようという会なので会長が「やるよ」と言えばやる>そうで、断りにくい雰囲気があるようだ。
一方で謝罪会見にて、「止めるという考えはなかったのか」という質問に対し、小林敏秋市議は<いつもうちの会派では、言いたいことを言って話する会派なもので“会長やめた方がいいんじゃないか”とか大体言われますけど、今回何も言われなかったもので>と話していた。
指摘すべきことを発言しても、立場が悪くなったり気まずくなったりしない風通しの良さが必要だろう。
「コンパニオンは感染症対策」発言でさらに炎上
国としても市としても大人数での会食を控えるよう呼びかけがありながら、公人として自覚のない行動は批判を呼ぶのも止むを得ない。ただ、今回批判されている理由は宴会の実施だけではない。
22日の謝罪会見にて、小林敏秋市議は宴会にコンパニオンを呼んだ理由について、以下のように説明した。
<コンパニオンにつきましては、議員の皆様が立ったり座ったりするのは感染がうつりやすいんじゃないかということで、なるべく席は立たずにコンパニオンさんにビールなり焼酎なりを運んでいただくということで、以前のようにマスクなしとかそういうことではなく、とにかく議員のみなさんが、仲間がコロナにかからない配慮はさせていただきましたので>
この発言に対し、ネット上では「恥ずかしい言い訳」「素直に『ごめんなさい』って言えばいいのに」「コンパニオンはコロナに感染してもいいということ?」など批判が集まっている。
コンパニオンたちも「議員たちの感染リスクを下げるため、自分たちが新型コロナに感染してもかまわない」と思って仕事をしていたわけではないだろう。コンパニオンはロボットではなく人間だ。この発言はコンパニオンへの配慮がなさすぎるのではないか。
そもそも厚生労働省が公開している「新しい生活様式」では<お酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けて>と書かれている。感染リスクを下げる目的だったならば、お酌はもってのほか。また、「感染防止のためのコンパニオン」ならば、コロナが流行する前はコンパニオンを呼んでいなかったのかも疑問である。