発達障害、ろう・難聴児、外国ルーツを持ち学習困難な子どもたちのための「やさしい字幕」プロジェクト

文=中崎亜衣
【この記事のキーワード】

【完成】「やさしい字幕」プロジェクトの画像1

 NPO法⼈eboard(いーぼーど)が、ろう・難聴児や⽇本語の⽀援が必要な子どもたちがオンライン学習に安心して取り組むための「やさしい字幕」プロジェクトを始めることを発表しました。このプロジェクトでは、 字幕の作成・編集に協力する企業・団体などの社員や個人、合わせて約1000名の「在宅オンラインボランティア」を募集しています。

 「やさしい字幕」プロジェクトでは、小中学生向けの映像授業約1600本の字幕表⽰量を調整、⾔葉や⽂章構造を簡素化するなどして、学習のハードルが下がるように字幕を編集。⽂章を簡素化すれば、AI による⾃動翻訳の精度が上がり、各国⾔語の翻訳字幕を用いた学習支援にも利用できます。

 発達障害など、学習の困りごとを抱えた子で聴覚からの情報処理が苦⼿な⼦どもの中には、視覚情報の「字幕」が学習の助けになる子もいます。また、ろう学校での字幕付きの映像授業は限られており、複雑な⽂章や表⽰量の多い字幕を読むことが困難な子どももいます。

 そして外国にルーツを持ち⽇本語指導が必要な児童⽣徒は増加しており、平成30年の文部科学省の調査では、全国に4万8238 ⼈いることがわかっています。同年の全国的な調査により、最⼤で約2 万⼈の子どもたちに不就学の可能性があることも判明しています。自治体によって支援の度合いに差があり、地⽅では専⾨的な⼈材数が少なく、⽀援が難しい現状があるといいます。

 オンライン教材に「やさしい」字幕を付けることで、様々な学習の困りごとを抱えた子どもたちの学習機会を保障するというわけです。

 NPO法⼈eboardは、主に不登校や家庭の経済的理由などから十分な学習環境が整えられていない子ども、学校教育過程からの遅れがあり学習に困難を抱えている子どもらに対して、インターネット上で無料で学べる環境を提供。教育格差の解消に寄与することを目的としています。「学びをあきらめない社会の実現」をミッションに掲げ、映像授業やデジタルドリルで子ども1人1人に応じた学習サポートを行うICT 教材eboard を、全国800カ所の学校、学習塾、NPO等に提供しています。

 新型コロナウイルス感染拡⼤により多くの学校が休校となった2020 年3 ⽉から5 ⽉にかけては、オンライン授業を導入した学校や学習塾を中心に100 万⼈以上に利⽤されました。その⼀⽅で、聾学校や外国にルーツを持つ子どもを支援するNPOからは、聴覚障がいや⽇本語への配慮を求める要望、問い合わせが相次いだそうです。

▼やさしい字幕プロジェクト

「発達障害、ろう・難聴児、外国ルーツを持ち学習困難な子どもたちのための「やさしい字幕」プロジェクト」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。