嵐が日本レコード大賞出演! ジャニーズとレコ大の30年におよぶ確執が雪解けに

文=wezzy編集部
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嵐Instagramより

 嵐が第62回日本レコード大賞で「特別栄誉賞」を受賞し、12月30日放送の受賞式に出演する。これは日本の音楽業界にとって歴史的な出来事だ。

 嵐が受賞する「特別栄誉賞」は、長年にわたる活躍によって広く大衆の支持を得て音楽文化の発展に多大な貢献をもたらしたアーティストに贈る賞として、今年から新設されたもの。1999年のデビュー以降、約20年にもわたりトップアイドルとして活動し続けた功績が認められたということなのだろう。

 これが歴史的な出来事となる理由は、30年近く続いてきたジャニーズ事務所と日本レコード大賞の対立がようやく終結したことを意味しているからである。

ジャニーズ事務所と日本レコード大賞の確執

 1980年代まではジャニーズ事務所と日本レコード大賞の関係は良好だった。1987年には「愚か者」で近藤真彦が、翌年には「パラダイス銀河」で光GENJIがそれぞれ大賞を受賞している。

 他にも、郷ひろみ、田原俊彦、少年隊、シブがき隊、男闘呼組など、日本レコード大賞で賞をもらったジャニーズの歌手は多い。

 その蜜月関係性が崩れたきっかけと見られるのは、1990年に起きたある事件だ。この年は、忍者が最優秀ポップス新人賞を受賞しているのだが、ジャニーズ事務所はこれが不満だった、というのである。

 この時期の日本レコード大賞は「ポップス・ロック部門」と「歌謡曲・演歌部門」に分かれていた。忍者は「演歌のような曲も歌えるアイドル」を売りにしていたため、ジャニーズ側としては歌謡曲・演歌部門での受賞を要望していたのが、忍者はポップス・ロック部門に振り分けられた。これにジャニーズ側が怒りを募らせ、対立に至ったという。

 これ以降、SMAPや嵐をはじめ多くのジャニーズアイドルがヒット曲を連発するも、2010年に近藤真彦が最優秀歌唱賞を受賞するなど一部の例外を除き、ジャニーズ事務所のアイドルが日本レコード大賞の舞台に登場することはなかった。

2019年にはジャニー喜多川氏が新設の賞を受賞

 ジャニーズ事務所とレコード大賞の関係が変化する兆しは、実は2019年の時点ですでに見られていた。

 昨年、レコード大賞は「特別音楽文化賞」という賞を新設。2019年7月に亡くなったジャニー喜多川氏に賞を贈った。

 当日の放送では、ジャニーズ事務所を代表して近藤真彦が出席。トロフィーを受け取ったうえ、これまでジャニー氏が手がけたアイドルを振り返る映像も放送された。

 加えて、その年の3月に亡くなった萩原健一を追悼する特別企画では、亀梨和也(KAT-TUN)が出演し、テンプターズの「神様お願い!」を歌っている。

 ジャニー氏が亡くなり、藤島ジュリー景子社長・滝沢秀明副社長の体制に移行してからジャニーズ事務所とメディアの関係は大きく変化し始めているが、レコード大賞との関係もそのひとつと言えるだろう。

 今回は優秀作品賞や新人賞にジャニーズのタレントが選ばれることはなかったが、来年以降はかつてのようにジャニーズのアイドルが大賞や最優秀新人賞に選ばれることがあるかもしれない。

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