
BUMP OF CHICKEN公式サイトより
コロナ禍にあっても不倫報道の絶えなかった2020年。BUMP OF CHICKENのベーシスト・直井由文も、妻子がいることを隠しながら女性と付き合い、不倫相手を酷く傷付けたことが発覚し、現在まで活動を休止している。3人体制でもBUMP OF CHICKENの継続を選んだボーカル・ギターの藤原基央が、当時の苦悩やバンドの近況を「CUT」2021年1月号(ロッキング・オン)で明かしている。
直井由文の不倫は、2020年9月18日付「文春オンライン」で報じられた。記事では、交際中に直井と女性が交わしたLINEのやりとりも多数掲載されており、その生々しい文面にファンは大きな衝撃を受けた。
同月25日、BUMP OF CHICKENは、藤原、ギターの増川弘明、ドラムの升秀夫の3人で当面は音楽を続けていくと公式サイトで発表。直井は当面の間、活動を休止することとなった。
BUMP OF CHICKENは幼稚園からの幼なじみ4人で結成されたバンドであり、ファンは音楽と同時に4人の関係性にも魅力を感じている。直井抜きで活動を続ける決断はBUMP OF CHICKENにとって非常に大きなものだった。「CUT」で藤原は、新体制になって数カ月が経ち、徐々に新しい音楽を生み出し始めたと語っている。
現在は<ベースを俺が弾いて、歌も歌って、ヒロがギターを弾いて、秀ちゃんがドラムを叩いてっていう音楽活動を、3人で止めないでやってるところ>だといい、いつになるかはわからないが<必ず世の中に新曲を出す>と意欲的に創作に取り組んでいるようだ。
治らない傷を抱えたバンプファンの存在
直井のスキャンダルが発覚した直後の9月27日深夜に放送されたラジオ番組『BUMP OF CHICKENのPONTSUKA!!』(bayfm)で、藤原は<このバンドはここで終わりにするしかないのかな>と、BUMP OF CHICKENの解散を視野に入れたとまで語っていた。
直井の起こしたスキャンダルは、リスナーに対するひどい裏切りだった。BUMP OF CHICKENのファンには、日常生活の中で心に傷を受けて立ち直れないような状況になっている時に4人の音楽に出会い、彼らの生み出す音楽に勇気をもらって学校や職場に出かけていく人がたくさんいるからだ。藤原はそのことを誰よりも理解していた。
<僕らのリスナーには心になんらかの傷を負っている人が多いんじゃないかなと思います。これは20年以上ステージに立って、みんなに向けて演奏してきて、歌ってきて、肌で感じてきたことです。
たとえば、拭いきれないような後悔とか恥ずかしさとか、いまだにずきずきするような、消化しきれない、そういうものを治らない傷のように抱えている人、そういう人が僕らの音楽を、僕らが思っている以上にとても強く信じてくれて、大切にしてきてくれていたんだなと>
(『BUMP OF CHICKENのPONTSUKA!!』より)
さらに「CUT」では、自分の父親の不倫に心を傷つけられていたところにBUMP OF CHICKENと出会い、その音楽に癒しと勇気をもらったファンから手紙をもらったこともあると藤原は明かしている。
そうしたファンの声が届いているにも関わらず、同じように人を傷つけるような振る舞いをした直井に対して藤原は失望と怒りを覚え、同時に責任を感じていたようだ。
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