“美の基準”に振り回される必要なんてない! 美容家が勧める「ありのままの自分」を愛する本

文=小澤佐知子
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GettyImagesより

 「女性は若く、美しいことに価値がある」。日本人の女性の多くは、このような定説に振り回されてきました。20代で美しさのピークを感じ、次第に年齢を重ねていくと、目元に小ジワ、白髪、体型の変化などに直面し、自身を「歳だから」と自虐的に蔑む女性は少なくありません。

 これでは年齢を重ねることが悪と捉えられ、これまで積み上げてきた、さまざまな経験や培われた柔らかな感性、他人への寛容さ、磨かれた知的な魅力などが薄らいでしまうと思いませんか? 私は、「若くて美しいことに価値がある」という考え方は、現代にはミスマッチだと感じています。

 今、世界的に「美」に対するマインドが大きくシフトしています。体形や肌の色、障がいやジェンダーなどの固定観念に囚われず、ありのままの自分、自分が心地よいと思う姿をそのまま愛し、受け入れて楽しむ――そんな「美の多様化」=「ボディポジティブ」が、一時的なムーブメントではなく、社会に定着しつつあるのです。

美人の基準に振り回されない思考とは?

 目が大きく、鼻がスッとしていて、顎が細く、顔が小さい。ステレオタイプな「美人」だけが評価されると、「美人」に該当しない女性は、生きづらさを抱えてしまいかねません。すると、日々の「美容」という行為が、欠点をカバーする義務感のようで、ポジティブなツールでなくなると思うのです。

 低い鼻や一重で細い目、大きな服のサイズも、その人だけに与えられたチャーム。「多様な美しさ」が本格的に定着しつつある今こそ、自分の顔や身体そのものを楽しむ美容へとシフトしていくチャンスです。そんなふうに意識が変われば、美容やファッションをより一層楽しめるはず。

 例えば、米国のNYやLAの街角には、けっして細いとは言えない太ももでも、超ミニスカートをはいて堂々と闊歩する女性がたくさんいます。その姿からは、自身がチョイスしたミニスカートを心から楽しんでいる様子がヒシヒシと伝わってくるのです。美の基準が、他人ではなく自らのマインドにあるから、好きな服を着て楽しむことができるのでしょう。

 とはいえ、ボディポジティブな思考の定着が途上にある日本では、こういった話がきれいごとや理想論だと流されてしまうのも無理はありません。しかし、自分の顔立ちや加齢により刻まれたシワ、変わりゆく体形をいつまでも愛していたいものです。

「ありのままの自分を愛する」お勧めの本

そこで、「ありのままの自分を愛する」ヒントをくれる、全ての女性に読んでもらいたい、筆者が勧めの本を2冊紹介します。

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『美容は自尊心の筋トレ』(著:永田杏奈、Pヴァイン)
1628円(税込)

 モテや人から押し売りされた美人を演出するでもなく、「自尊心を育む生活習慣」として美容を楽しむ方法を語った本。誰しもが経験する自分の顔や加齢に対する悩み、世間が思う女性らしさや美しさに上手く乗れない女性の劣等感などを、美容ライターの著者が優しさとユーモアでマルッと包み込む。それぞれが持つありのままの美しさを高める方法を、具体的に指南します。

 本書の著者が伝えたいのは、「絶対的な美」「エビデンスのない漠然とした美」などではなく、自分を大切にすることの習慣化、凝り固まった美意識をストレッチする「セルフケア」です。

 読後は、「自分はこの顏、この姿でいいんだ」、「自分が気持ちいいと思える美容だけ、楽しもう」と意識をスイッチングできるのも魅力。劣等感から解き放たれ、自然体の美を生かすポジティブな思考に生まれ変わる一冊です。

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『ディファインメイクで自分の顔を好きになる ”私だけの魅力”が絶対見つかる自己肯定メソッド』(著:水野美和子、講談社)
1540円(税込)

 コンプレックスやエイジングでキレイを諦めたり、メイクの正解がわからず、どこか自信をなくしている人にお勧め。数々のファッション誌や広告で女優やモデルのメイクを手がける著者が、誰かのキレイの基準に足並みをそろえるのではなく、自分の素顔だけに宿る魅力をディファイン(明確に)し、「自分になる」メイクメソッドを説く美容本です。

 自分を素直に全肯定し、一人ひとり違う自由な美しさこそがすべて。著者が語るように、読むだけで自己肯定感が高まって元気になれるのが本書の魅力。今より人生とメイクが楽しくなる、そんなエッセイ集に仕上がっています。

 表紙にも登場する井川遥さんは、著者に絶大な信頼をおく俳優のひとり。口絵ではイメージモデルを務めています。読み終えた頃には、「自分の顔、結構好きかも」と感じられる、新しいマインドをもつ自分に出会えそうです。

 ステイホームの習慣が定着し、自宅での時間を楽しむ人も増えました。先行き不安な世情に、どうしても気分は沈みがちになりそうですが、こんな時こそ読書にいそしむチャンス。「読む美容」を通して、今よりもっと私自身が好きになる、そんな元気や勇気をセルフプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

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