福山雅治がNHKに出した、『紅白』で「家族になろうよ」を歌う条件

文=wezzy編集部
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 そもそも、なぜNHKは「家族になろうよ」をオファーしたのだろうか。福山雅治には他にもヒット曲がたくさんあるし、2020年にはデジタルシングル「心音」(『#リモラブ〜普通の恋は邪道〜』主題歌/日本テレビ系)も発表している。「家族になろうよ」はその歌詞からいって、どのような演出をしたところで、さまざまな家族のかたちを讃美する内容にはなりにくい。

 近年の『紅白』は、女性が「紅組」、男性が「白組」という分け方への批判に応えようという動きを、少しずつではあるが見せていた。例えば2019年の『紅白』では、氷川きよしが性差を越えたメイクと衣装で魅了し、MISIAはレインボーフラッグとドラァグクイーンにちなんだ演出で話題をさらった。

 その前年、星野源がサザエさん風の装いをする『おげんさんといっしょ』とのコラボコーナーにて、「おげんさんって、白組と紅組、どっちなの?」という質問に対してこのように発言していた。

<おげんさんは男でも女でもないから、どうしていこうかしら。だから、思ったのは、紅白もこれからね、紅組も白組も性別関係なく、混合チームで行けばいいと思うの>

 それ以降、星野は2年連続でピンク色のジャケットを羽織ってパフォーマンスすることで、多様なジェンダー観に対するメッセージを発信している。

 こういった事例もあり、『紅白歌合戦』も日本を代表する音楽番組として新しい時代のアップデートを進めているかに見えた。もちろん2020年のコロナ禍で、同じ「家」に暮らす家族以外の人々との接触が断たれ、家族の大切さを知ったという声があるのはわかる。だが、「家族になろうよ」を披露する意図を福山がわざわざラジオで解説しなくとも、視聴者に誤解を生むことなくパフォーマンスで伝えきるような演出があっても良かったのではないか。

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