今年から共働きを始める家庭必見 複雑でわかりにくい「◯◯万円の壁」の基本解説!

文=川部紀子
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 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。今年から家計のために扶養の範囲内で働き始めようと考えている方も多いと思います。ただでさえ、「◯◯万円の壁」が複数存在してわかりにくい上に、今はパート勤務で「雇用」されるだけでなく、ネット販売や雇われてはいないけれど業務委託で働くなど仕事も多様化しています。

 この連載ではこれまで何度も「◯◯万円の壁」について解説してきました。「◯◯万円の壁」については、書籍やウェブでもたくさん解説されています。しかし、例として出されているケースが自分とかけ離れていたり、「いまは▲▲について知りたいのに書かれてない」とやきもきした方もいるでしょう。それだけこの「◯◯万円の壁」は複雑でわかりにくいのです。

 そこで今回は、会社員の配偶者による扶養の範囲の考え方を、雇用契約なのかそれ以外なのかに注目して解説していきます。

収入と所得は違うことを知る

 扶養の範囲の解説には「収入」「所得」という言葉が付き物です。まずこの2つの言葉はイコールではないことが重要です。

 パートなどで雇用される場合は、「収入」は額面金額です。「所得」は計算により自動的に決まります。

 一方、業務委託契約やフリーランスなど雇用でない場合は、「収入」は売上ですが、「所得」は売上から経費(場合によっては青色申告特別控除も)を引いた額となります。

その1:住民税の壁

 完全な扶養の範囲を目指すためには、自分に住民税がかからないよう、もっとも少なく働く方法を選びます。

住民税の基準はお住まいの地域により違いますが、東京23区の場合は下記の金額まで働いてもOKです。

雇用:年収100万円(交通費を含めない)
雇用以外:売上-必要経費(-青色申告特別控除)=45万円

 地域によっては、上記より数万円少ない金額にする必要がありますが、少し超えてしまっても、住民税は年間5,000円程度なのでダメージは小さいでしょう。それすら避けるには、目処として上の数字よりも10万円少なく働くことを目指してください。

その2:所得税の壁

 次の壁を超えると住民税に加え所得税がかかります。また、超える額によって配偶者の所得税も増えることに繋がってきます。所得税は地域差がありませんから、下記をしっかり守ってください。

雇用:年収103万円(交通費を含めない)
雇用以外:売上-必要経費(-青色申告特別控除)=48万円

その3:保険と年金の壁

 次の壁に達すると自分で保険(健康保険か国民健康保険)と年金(厚生年金か国民年金)を収めることになります。

 前述の住民税や所得税の壁を超えるよりも負担感ははるかに大きくなるので、ここからは特に慎重にいきましょう。

雇用(大手):年収106万円(交通費を含む)
雇用(中小):年収130万円(同上)

雇用以外:売上130万円(一部の必要経費を差し引いてくれる組合もある)

 雇用の場合は、大手・中小とざっくり示しています。これは、どちらに属する勤め先なのかの判断には要件がいくつもあることと、改正が何度も繰り返されるためです。ご自身で確認する必要があるので、総務課などに、106万円なのか、130万円なのか確認してください。

 雇用以外は、純粋に売上で判断する会社(健保組合)もあれば、一部の経費だけを差し引いて判断してくれる会社(健保組合)もあります。ただし、青色申告特別控除(10万円・65万円)を差し引いてくれることはありません。

 こちらも配偶者の勤め先の健康保険の窓口に「認められる必要経費はありますか?」と確認しましょう。慎重にいくなら、売上130万円を切ることです。

まとめ

 細かい壁は他にもありますが、上の3つの壁を意識することがおすすめです。特に3つ目の壁に達してしまうようであれば、思い切って稼ぐ方に舵を切りましょう。つまり、雇用ならフルタイムを目指す、雇用以外なら売上をセーブしないでできるだけ稼ぐということを目指すことです。

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